子どもの安心を守り、保護者の働く環境を支える
Human Build Future.​

子どもの安心を守り、保護者の働く環境を支える

ヒューマンスターチャイルド株式会社
日吉本町ナーサリー 主任

越中さん

1997年生まれ、神奈川県出身。11歳のとき、弟が生まれたことをきっかけに、「子どもと関わる仕事がしたい」と思うようになる。中学生で保育士を志し、高校では総合学科で保育を学ぶ。卒業後は保育の専門学校へ進学し、保育士資格を取得。2018年、自身が通った保育園に就職する。新たな環境で挑戦したいという想いから、2023年にヒューマンスターチャイルド・日吉本町ナーサリーへ転職。開園時から携わり、2026年より主任を務める。母と祖母も保育士経験を持つ。

現在の仕事内容

楽しんで保育する

「自分が楽しくなくちゃ、保育に携わる意味がない」。先輩保育士の方々から教わった言葉です。保育士になって9年目になりますが、その想いは今も変わりません。

現在は主任として、職員配置やシフト作成、保護者対応、行事の進行などを担当しています。職員の手が足りないときにはクラスに入り、食事や午睡のフォローをすることもあり、保育と運営の両方を行き来する毎日です。主任になったことで、職員から相談を受ける機会も増えました。そんなときは自分の経験を伝えながらも、「それが全てではないからね」と話すようにしています。経験が増えるほど、大人は固定観念に囚われやすくなると思うからです。

一方で、子どもたちの発想には日々驚かされています。以前、園庭の水道から砂場まで水を流して遊んだとき、ペットボトルで水路をつくっていると、「木の枝を使ったら?」「葉っぱも使えるんじゃない?」と次々にアイデアが出てきました。大人が考えたことを、子どもたちは全く違う角度から広げ、遊びに変えていくんです。その瞬間に立ち会えることが、この仕事の楽しさでもあります。 

また、子どもたちの成長した姿に触れられることも大きな喜びです。卒園式で「先生みたいな保育士になりたい」と言ってくれた子や、ランドセル姿を見せに来てくれる子もいます。保育士をやっていてよかったなと思う瞬間でもあります。 

「労働人口減少」という課題との接点

子どもの安心が親の安心につながる

共働き世帯が増える中、保育園や保育士の不足を感じることがあります。保育士は子どもたちの命を預かる仕事ですが、待遇や社会的な評価は十分とは言えません。人員がギリギリで運営している園も多く、保育士を続けづらい状況があると感じています。これでは保育士をめざす人も増えず、経験を積んだ保育士が定着することも難しくなってしまいます。その結果、預けたいけれど預けられない、働きたいけれど働けないという状況につながってしまいます。 

一歳児クラスは、保護者の方の仕事復帰と重なる時期です。子どもにとっては初めて家族と離れて過ごす場所。不安で大泣きする子も少なくありません。「音楽をかけて踊ってみようか」「絵本を読もうか」と、その子が好きなものを見つけながら、少しずつ保育園に慣れていけるよう関わっています。 

子どもが強いストレスを感じてしまうと、保護者の方も不安になります。そのため、状況によっては復帰時期の延長をお願いすることもあります。それでも、朝は泣いていた子がシャボン玉を追いかけたり、夢中で遊んだりするようになると、保護者の方から「ほっとしました」と言っていただくことがあります。子どもが安心して過ごせるようになることが、保護者の方が安心して働ける環境につながるのだと感じています。 

未来につながると実感した瞬間

未来を想像しながら保育する

保育には、「こんな大人に育てればいい」という正解はありません。だからこそ、その子が大きくなった姿を想像しながら関わっています。どんな声をかけたらよいのか、どう接するべきなのか。職員や保護者の方とも考えを共有しながら、日々考えています。 

最近、「子どもの主体性」という言葉がよく聞かれるようになりました。子どもの個性に合わせ、主体性を大切に育てたいと思う一方で、将来、学校や社会に出たときに困らないよう、集団の中での過ごし方も伝えていく必要があります。そこに難しさを感じています。

例えば、給食をなかなか食べない子がいた場合、「給食の先生がこれから食器を洗うんだよ」など、理由を伝えながら、子ども自身が納得して行動できるよう心がけています。 

今、一緒に過ごしている時間が、大人になったときの「自信」や「楽しみ」につながってほしい。それが子どもたちの生きる基盤になると信じています。 

今後取り組みたいこと

地域を「自分の庭」だと思えるように

保育園だけでなく、地域全体で子どもを育てていくことが理想だと思っています。今年度から、地域の保育園と一緒に公園で遊ぶなど、他園の子どもたちと関わる活動を予定しています。小学校へ進学した際に、あらかじめ顔見知りの友人がいることは、子どもたちにとって大きな安心感につながります。こうした同世代の交流を地域における子育て支援の「第一歩」と位置付けています。さらに将来的には、地域のシニア世代との異世代交流の場もつくりたいと思っています。 

大人が子どもに声をかけるだけで不審者と思われてしまう時代。それでも、地域全体で子どもたちを見守り、子どもたち自身が地域を「自分の庭」と感じながら育っていける。そんな環境をつくっていけたらと思っています。 

※2026年5月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。肩書き・部署名等は取材時のものとなります。