ヒューマンプランニング株式会社
エヴェッサ事業部 パートナー営業部
中野さん
1990年生まれ、大阪府出身。人が集まる場をつくる仕事に関心を持ち、大学卒業後、アパレル企業に就職。バスケットボールの試合を観戦した際、演出の魅力に心を動かされたことをきっかけに、2016年1月、ヒューマンプランニング株式会社に入社。大学時代に学んだ環境問題の知識を活かし、試合会場を起点とした環境施策や体験型イベントの企画を推進している。幼少期からダンスに親しみ、舞台づくりへの関心を持ち続けてきたことも、現在の仕事につながっている。二児の母。

現在の仕事内容
コートの内と外をつなぐ
仕事は大きく二つに分けられます。一つは、大阪エヴェッサのパートナー企業との契約に関わる業務全般の管理。もう一つが、「OSAKA EVESSA SDGs ACTION AND YOU」(以下、「AND YOU」)の企画・運営です。
「AND YOU」は、これまでコートの外で行ってきた社会貢献活動を、「子どもたちのために」「地球のために」「街のために」の三つの柱に整理し、持続可能な社会の実現に向けて発信するプロジェクトです。2024-25シーズンからスタートしました。

「子どもたちのために」では、地域の学校へバスケットボールの寄贈やバスケットボールクリニックや、ミニバスケットボールチームの卒団式イベント等を実施しています。「地球のために」では、ホームゲームで「ECO PROJECT DAY」を開催し、エコステーションの設置によるごみ分別の徹底や、エコに関するワークショップやイベントを行い、試合会場を環境活動の発信の場としています。「街のために」では、選手とともに地域イベントへ参加するほか、商店街での子ども向けお仕事体験イベントも実施しています。
大阪エヴェッサのキャッチフレーズ「バスケで大阪を元気に」を体現するように、チーム運営の枠を超え、コートの内と外をつなぎながら、地域や社会と関わる活動を広げています。「大阪エヴェッサが大好きです」という言葉が、何より心に残ります。
日本の未来との接点
体験が、選択肢を増やしていく

理想の未来は、すぐに実現するわけではありません。だからこそ、今できることを一つひとつ積み重ねていくことが大切だと感じています。「ECO PROJECT DAY」や職業体験イベントは、環境問題や働き方など、将来子どもたちが向き合っていく課題とつながっています。
環境活動においては、「分別しなさい」と教えるのではなく、試合会場という楽しい空間の中でイベントとして分別を行うことで、当たり前の感覚として身についていくことをめざしています。
また、商店街で行うお仕事体験イベントでは、警察官やパティシエのような憧れの職業ではなく、営業や総務や人事といった多くの人が担っている仕事をゲーム形式で体験してもらいます。総務の体験では、書類にハンコを押していく中で「1億円を支払う」など重要な書類が紛れていることに気づき、会社にとっての役割を楽しみながら体感できる仕組みです。
こうした活動は、環境や社会の課題に向けた取り組みであると同時に、私個人としては、子どもたちに「自分で選択する力」を身につけてほしいという思いでおこなっています。これからの社会は、環境問題や働き方と日常的に向き合うことが求められます。周囲や環境の影響を受けながらも、生き方を自分で選択する力が重要になってくると考えています。
私たちが提供する体験が、将来、進路や生き方を選ぶときに「こういう選択もある」と思い出すきっかけとなる材料を渡していくことが、この仕事の役割だと考えています。
未来につながると実感した瞬間
「やってみたい」が生まれたとき
バスケットボールは、男女問わず取り組める、多くの人に親しまれているスポーツです。
しかし、この仕事を始めた10年前は、将来の夢として「バスケットボール選手になりたい」と言う子どもは多くありませんでした。競技人口は多いのに、職業としてイメージされていない。そのことにもったいなさを感じていました。私自身、子どもの頃からダンスを続けてきましたが、それを仕事にする道は限られていました。だからこそ、同じように「好き」が仕事につながりにくい状況に、重なるものを感じていたのだと思います。
何かできないかと、パートナー様に協力してもらってエスコートキッズを実施したり、積極的にイベントに参加、また他の部署ではキッズデーの実施やMC体験、大阪エヴェッサでの職場体験など、子どもたちがバスケットボールに触れる機会をみんなで増やしてきたと思っています。2016年にB.LEAGUEが開幕し、こつこつ積み重ねてきた活動は、以前よりたくさんの子どもたちにとって夢につながるものになっているのではないかと思います。近隣の小学校の卒業文集を先日読んだのですが、卒業文集に「バスケットボール選手になる」と書く子どもたちがたくさんいて、とてもうれしかったです。

また、あるとき、ハーフタイムのシュートゲームに参加した男の子が、それをきっかけにバスケスクールに入会したと聞きました。それまで遊びで触れていただけだったバスケットボールに対して、「やってみたい」と思い、一歩踏み出したのです。楽しい体験の中から生まれた変化でした。
イベントに関わった子どもたちが、いつか大阪エヴェッサの選手として戻ってきてくれたら――そんな未来を思い描いています。
今後取り組みたいこと
一過性にしないために

「AND YOU」が始まってから2年、さまざまな取り組みをみんなで進めてきました。「AND YOU ECO PROJECT DAY」では、取り組みに賛同してくださる企業やスタッフの方も増え、フードケースをトイレットペーパーに再生するイベントなど、新たな取り組みに広がっています。プロジェクトを一過性のものにしないためにも、広がりと深まりを重ねながら、長く続けていきたいと考えています。
また、試合が楽しい、面白い、感動するといった体験の中で、ポジティブに社会課題に触れることができる。これこそが、バスケットボールチームの運営会社だからできることだと感じています。今後も、そうした場をつくり、小さな変化を生み出していくことが、やがて社会のあり方を少しずつ変えていくのだと信じています。

※2026年4月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。肩書き・部署名等は取材時のものとなります。