海外人材が日本の介護を支える未来
Human Build Future.​

海外人材が日本の介護を支える未来

ヒューマンライフケア株式会社
介護総合営業部監理課 ジュニアマネジャー

小林さん

1986年生まれ、東京都出身。大学卒業後、大手カフェチェーン店に就職し、店舗開発などに携わる。もともと人と関わることが大好きで、より人と向き合う仕事がしたいと考え、2014年、ヒューマンアカデミー株式会社に中途入社。行政営業を担当するなかで介護分野に関わり、その仕事に関心を持つようになる。社内公募に応募し、2021年4月、ヒューマンライフケア株式会社へ転籍。行政営業を経て、特定技能登録支援事業に携わる。2024年5月より現職に就く。

現在の仕事内容

海外人材の働く土台を支える

介護の現場では深刻な人手不足に直面するなか、国内人材のみで労働力を確保することが難しくなっています。そうした中、2019年に、特定の産業分野において即戦力となる知識や経験を持つ外国人を労働力として受け入れる「特定技能制度」が始まりました。この制度により、一定の技能と日本語力を備えた外国人が日本で働くことが可能となっています。ヒューマンライフケアでは、翌2020年から登録支援機関として事業を展開し、海外人材とともに現場を支えています。

私は2022年4月からこの事業に携わり、現在はジュニアマネジャーとして、外国人介護人材の入国から就業支援までを担うチームを率いています。在留資格認定の手続きや生活支援、就業中の相談対応、施設との契約調整など業務は多岐にわたります。チームにはミャンマーやベトナムなど外国籍のメンバーも在籍しており、多様なバックグラウンドを持つメンバーとともに、支援に取り組んでいます。メンバーが力を発揮できる環境を整え、チームとして成果を出す。そのために何ができるのか、管理職として考える日々です。

受け入れ施設と特定技能人材の双方に向き合う立場として、中立性を保ちながら、それぞれとの関係性を大切にしています。施設側には受け入れが円滑に進むようコミュニケーションや文化的背景への理解を促し、特定技能の方には定期面談や日本語教育を通じて、安定して働くための支援を行います。

当初は海外人材の採用に不安を感じていた施設が、受け入れ後、その働きぶりに信頼を寄せ、「さらに採用したい」と言ってくださることも少なくありません。その変化が、チームにとってもこの仕事の意味を実感する瞬間になっています。

「労働人口減少」という課題との接点

介護現場の担い手に育てる

海外人材を受け入れるということは、単なる人手不足の解消だけでなく、介護現場の担い手を育てることでもあります。

日本を選んで来てくださる方の多くは、アニメなど日本の文化に関心を持ち、母国で日本語を学び、特定技能の試験に合格しています。出身国はインドネシアをはじめ、ミャンマーやベトナム、モンゴル、ネパールなどさまざまです。年齢は20代前半が中心で、介護は未経験、働くこと自体が初めてという方も少なくありません。

そうした方々が日本で生活し、働き、一人の職員として定着できるかどうかが重要です。そのためには、仕事だけでなく、暮らしの基盤を整える支援が欠かせません。スーパーでの買い物やセルフレジの使い方、家電の扱い方といった生活面から、職場での相談対応まで支えています。

また、介護現場では専門用語も多く、言葉の壁も大きな課題です。月2回、オンラインで介護日本語講座を実施し、業務に必要な言葉を学ぶ機会を設けています。それでも、地方で働く方々は、方言に戸惑うこともありますが、現場の職員が丁寧に教えることで、少しずつ言葉を身につけていきます。

日常会話がようやくできるレベルで来日したスタッフが、1年後には方言を使いこなし、利用者様と笑顔でコミュニケーションをとりながらきびきびと動いている。その姿が強く印象に残ります。

未来につながると実感した瞬間

「ここで働き続けたい」という選択を支える

特定技能の方にとって、介護福祉士の資格取得は大きな意味を持ちます。資格を取得すれば、5年という在留期間の制限を超えて、日本で働き続けることができるからです。当社が紹介している特定技能の方々は、資格取得をめざす意欲的な方ばかりで、その思いを支えるため、「介護福祉士国家試験対策講座」をオンラインで開催しています。

支援してきた方が資格を取得し、そのまま日本で働き続ける道を選ぶ。その姿に、これまでの支援が一つの形になったのだと感じます。

私が空港に迎えに行き、生活のあれこれを教え、寮へ送り届けた方が、数年後に介護福祉士を取得したと聞くと、感慨深いものがあります。また、資格取得後も、最初に採用された施設で働き続けている方がいました。より条件の良い職場があっても、「自分は環境と人に恵まれていた。育ててくれた施設だから残りたい」という思いでの選択でした。

まだ高校を卒業したばかりの若い方が、言葉も十分に通じない異国の地で働き、仕事を覚え、居場所をつくっていく。その苦労は想像以上だと思います。それでも、日本で働き続けたいと言ってくれることが、何より嬉しく感じられます。

介護現場はすでに、外国人の存在なしには成り立たなくなっています。だからこそ、制度に沿って努力し、日本の介護現場で成長している人たちがいることを、もっと知ってもらいたいと願っています。

今後取り組みたいこと

定着率を高め、長く働ける環境をつくる

特定技能人材の定着率を高めていきたいです。長く働き続けてもらうことは、施設側にとっては安定した労働力の確保になり、本人にとっても安心して働ける環境になります。そして、私たちにとっては、継続的な支援や次の提案につながります。そのため現在は、支援の充実に力を入れています。業務上の課題を可視化する「活躍促進プログラム」を立ち上げ、一人ひとりの課題を整理し、オンライン学習支援などに反映しています。

今では、コンビニで外国人スタッフが働くことが当たり前になったように、介護の現場も外国人が支える時代になっていきます。多国籍化が進むなかで支援の複雑さも増していきますが、文化や宗教、生活習慣や価値観の違いを理解しながら、一人ひとりが安心して働き続けられる環境をつくっていく。その重要性はますます高まっていくと考えています。

※2026年3月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。肩書き・部署名等は取材時のものとなります。