ヒューマンビジネスイノベーション

社会人教育 2019/03/08 【学び働く人】

~MBA=「(M)めっちゃ」「(B)ビジネスに」「(A)愛を!」~
幸せで健康的な働き方を実践する『愛情経営』を目指して

キャリアデザイン・インターナショナル株式会社 代表取締役
一般社団法人日本ポジティブキャリアデザイン協会 代表理事
日本CHRコンサルティング株式会社 取締役
渡邉 文子さん

HONDA ESTILO USA/SOLTILO株式会社 プロジェクトマネージャー 田中 美菜子さん

Profile

渡邉 文子(わたなべ・ふみこ)さん
大阪府生まれ。甲南大学文学部英文学科卒業。1998年にインターネットギフトショップ「ハートギフト」を創業、2005年にキャリアデザイン・インターナショナル株式会社に改組。2007年にヒューマンアカデミービジネススクールのMBAプログラム(英国国立ウェールズ大学大学院経営学修士)を修了。2008年に日本CHRコンサルティングを設立し、代表取締役に就任。2017年からは、一般社団法人日本ポジティブキャリアデザイン協会を設立し、代表理事も務める。

「感性×MBA」の発想で新たなビジネスを創出し、女性が活躍する働き方を創出し続ける渡邉文子さん。現在はメンタルとキャリアを融合し、幸せで健康的に働ける社会の実現を目指している渡邉さんですが、その活躍の裏には、ヒューマンアカデミービジネススクールのMBA(Master of Business Administration:経営修士号)プログラムでの学びがありました。

仕事と家庭を両立しながらMBAを取得

現在は女性活躍の支援制度もありますが、私が起業した当時は制度が整っているとは言い難い状況でした。ですから、仕事を途中で切り上げられる自信がなかったですし、何より子どもたちといつも一緒にいたかった。子どもたちを預けないで仕事と子育てを両立したいと考えていたのですが、その環境に合わせられる仕事はありませんでした。それなら、自分で仕事を作り出すほうが良いと思い、インターネットが家庭に普及しはじめた98年に、在宅でもできるインターネットビジネスを立ち上げることにしたんです。

その後ITバブルが到来し、ベンチャーにも上場のチャンスがあるという流れがやってきました。私も「ギフトを通して人と人がつながるネットワークシステム」の構築を実現させる手段として上場を目指したものの、それは叶いませんでした。
その原因を知らなければ次のチャレンジに踏み出せない・・・。そう思ったことがきっかけで、MBA取得を思い立ちました。
当時はシングルマザーで幼稚園の息子2人の育児の真っ最中だったのですが、これから先、子どもが成長して手が離れたときに経済的に自立している母でいたいと思っていたことも、もうひとつのきっかけでした。

いくつかのビジネススクールの中から、(ヒューマンアカデミービジネススクールのMBAプログラムである)英国国立ウェールズ大学大学院を選んだ理由は、国内で週に1回土曜日のみのスクーリングのため、仕事と両立しながら無理のないペースで学べること、さらに英国国立のウェールズ大学による信頼性の高いプログラムであったためです。

なかでも受講時に行なった、20~60代と幅広い年代の様々な立場の方々とのディベートは非常に良い経験でした。
起業してしまうと、どうしても自分の意見をそのまま相手に押し付けてしまいがちだったと思いますが、ディベートをすることによってお互い異なる立場なのだと体感でき、視野が格段に広がりました。
当時は「ギフトを通して人と人をつなぐ」事業をしたかったのですが、現在は専門家とチームになって、「人の心と心をつなぐ」仕事ができていると思います。より一層、物事を様々な角度から考えられるようになりましたね。

家族の支えが学びの原動力に

大変さもあったが、それを逆手にとるくらいの気持ちで取り組んでいた

▲大変さもあったが、それを逆手にとるくらいの気持ちで取り組んでいた

『仕事・家庭・学び』を両立させるのは大変そうに思えるかもしれませんが、自分で起業をしていたため、スケジュールも自分で決めることができました。当時、子どもが通う幼稚園への送迎などの時間が決まっていましたし、子どもたちの生活時間に合わせることで規則正しい生活を送ることができ、タイムシフトをキープすることができました。幼稚園バスのお迎えの時間までの30分など、細切れの時間を使い集中して本を読んだりしていましたので、自由な時間が長ければいいというわけではないと思いました。

ただ、修士論文の執筆時期は、まとまった時間が必要だったので、会社に1週間ほど泊まり込んで仕上げました。これは家族の協力があったからこそできたことですね。

もちろん楽しいだけのモチベーションではなく、受講費用や日々の生活にかかる支出をどうするかといった経済的な問題もあったおかげで頑張れたと思います。子どもたちという守るべきものがあって、しっかり育てなければという気持ちがあったおかげでもある。
自分のためだけだったら、ここまで頑張れていないかもしませんね。

ウェールズで学んでいる時期は、「今頑張れば、必ず明るい未来が待っている。」という根拠のない希望といいますか、とにかく将来がとっても楽しみだったことを覚えています。

これからは、結果を出すことでこれまでお世話になった方に感謝を伝えなくては、という気持ちですね。

修士論文執筆は、のちのビジネスに大きな価値をもたらしている

徹夜して執筆したことも、今は良い思い出に

▲徹夜して執筆したことも、今は良い思い出に

修士論文の執筆を通して学んだことは、書類を作る上で非常に細かい気遣いが重要だということです。
論文は膨大な数の資料を集めてエッセンスを集約したものです。自分の中で伝えたい内容を整理して重要な部分を絞り込み、相手にとって読みやすく、かつ自分の想いが伝わるような資料作成がとても大事になります。また、情報の出所や書式などの配慮もおろそかにしては信頼につながりません。

企画を考える時は、自分の経験したことを基に作成することを心がけています。そうすることで、具体的な課題にも建設的で実現性の高い企画ができるのではないかと思っています。執筆にあたって指導教授から受けた「自分が経験したことに肉付けすると説得力が出る」とのアドバイスが、今に生きていると思います。

この経験は、現在の仕事でも相手のニーズに応えられるよう想いを伝える際にも非常に役立っています。周囲にドキュメント作成の能力を評価され結果も出せているので、このウェールズでの学びは、現在大いに仕事に生かされていると感じています。

MBAプログラム受講前後で大きく変わったビジネス観

受講前は、「自分の感性や直感」をそのままビジネスにしたので、数字やデビデンスをそれほど重要視していませんでした。
ですがMBAプログラムでの学びと修士論文執筆の経験から、「自分の感性とエビデンスのバランスをうまくとることが重要」であることを学びました。

これは失敗談になるかもしれませんが・・・、MBAを修了した直後くらいに、私の会社の従業員がインターネット上の掲示板に書き込んだ「愛が欲しい」という言葉を見つけたんです。もちろん、誰に対しての発言かは分からないのですが、なぜか私に言われているような気がしてしまったんですね。

当時はとにかく、「エビデンスベースでロジカルに伝え、フレームワークを基に進める」ことが良いと思って、仕事を進めていたのです。ですから、「人が大切。」と言いながらも一人ひとりの従業員と向き合って仕事ができていたのかを振り返るきっかけとなりました。

企業は「ヒト・モノ・カネ」と言いますが、一番大切なのは「ヒト」だという自分なりの結論に、MBAでの学びがベースにあったからこそたどり着くことができました。このことは仕事だけでなく、私のキャリア全体においてとても大きな影響を与えました。

このようなMBAからの学びを生かしつつ、「お互いに信頼しあえる良好な関係性の中、はじめて組織が形になってゆく」ということを今、実感しています。

そして、私なりに「MBA」を「(M)めっちゃ」「(B)ビジネスに」「(A)愛を!」という言葉に置き換えました。愛情がベースの上で従業員の健康管理をする『愛情経営』という考え方を持つことが、企業自体の『健康経営』につながると考えています。

本当に幸せで健康的な働き方ができる仕組みを作っていきたい

仕事と育児を両立してきた経験を生かして、皆が幸せに働けるためのサポートを続けたい

▲仕事と育児を両立してきた経験を生かして、皆が幸せに働けるためのサポートを続けたい

現在は、キャリアデザイン・インターナショナル株式会社 代表取締役、日本CHRコンサルティング株式会社 取締役、一般社団法人ポジティブキャリアデザイン協会 代表理事という3つの仕事に就いています。これらはいずれも、人が健康的に働くためのサポート事業として展開しています。

自分を信じてがんばれば、理想のキャリアに近づくことができます。また近年は脳科学などの進歩によって、無理をしなくても結果が出て、健康で幸福に暮らすことのできる方法がエビデンスとして明らかになってきています。MBAでの学びや自身の経験を通して、生活者の方が元気になれるような情報の発信やサポートの仕組みを作っていきたいと考えています。

MBAで最も一番印象的だったのが 「一生の学び方を学ぶ」 という入学時のメッセージでした。
人の支援ができる仕事に就けた今、とても満足していますし、これからも多くの人と一緒に学び合える仕事ができたら嬉しいですね。
それがきっとわたしにとっての理想の働き方・・・幸せな生き方かなと思います。

『めっちゃ知るだけ!こころとからだの幸せ法則』

『めっちゃ知るだけ!こころとからだの幸せ法則』 渡邉 文子 著(文芸社/2018年)

渡邉 文子 著 (文芸社/2018年)

「『がんばっているのになかなか結果が出ない』『人間関係に悩んでいる』『大変なことに直面している』『チャレンジしたいけど迷っている』・・・。こんな方はいらっしゃいませんか ? そんな方のために書いた本です。 無理をしなくても結果が出て、健康で幸福に暮らすことのできる方法が、脳科学などの進歩によって明らかになってきました。ストレスの正体を知るだけで「幸せプログラム」が発動します。頑張りすぎてストレスをため込むのではなく、本書で正しい知識をインプットしましょう!」

キャリアデザイン・インターナショナル株式会社
(育児と仕事の両立をめざしたキャリアデザインの実践の場を提供)
http://www.e-cdi.co.jp/

一般社団法人 日本ポジティブキャリアデザイン協会
(産学民コラボレーションによる実践からポジティブなキャリアを支援)
http://jpcd.org/

日本CHRコンサルティング株式会社
(企業におけるメンタルヘルスケアコンサルティングを実施)
http://www.chr.co.jp/

<ヒューマンアカデミービジネススクール ウェールズ大学トリニティセントデイビッド(UWTSD) MBAプログラム>
https://habs.athuman.com/mba/
英国ウェールズ大学トリニティ・セント・デイビッドウェールズ大学の認証のもとに、日本国内においてヒューマンアカデミー株式会社 ヒューマンアカデミービジネススクール(HABS)が運営するプログラム。 ※英文正式名称: Part-time MBA Programme at HABS, Validated by University of Wales Trinity Saint David (UWTSD)
毎週土曜日のスクーリングと平日の隙間時間で行う在宅ワークで構成されているため、キャリアを中断せずにMBA課程を修了することができます。体系的に学んだ経営学を元に、自身のキャリアやプライベートで感じた社会の問題・課題について、専門指導教員とマンツーマンで分析し、日本語で論文を執筆。最後にHABSを通じて英国本校へ提出することで、世界中の方々が読める修士論文となります。入学や履修に英語力は不要のため、MBAで学ぶべき本質を、日本語で体得することが可能です。

※2019年2月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。肩書き・役職等は取材時のものとなります。

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