ヒューマンビジネスイノベーション

語学グローバル教育 2018/09/26 【輝く人】

一期一会ではなく、人生に寄り添う仕事を
――ある留学カウンセラーの奮闘記

ヒューマン国際大学機構(HIUC)留学カウンセラー
鈴木 翔子

世界を舞台に活躍したい、国際人としてスキルを身につけたいと海外を目指す若者たちを応援する海外留学準備機関のヒューマン国際大学機構(HIUC)。留学カウンセラー鈴木翔子は日々、夢を叶えるために海外を目指す若者たちのサポートに奮闘しています。

留学で得たのは、さまざまな価値観やひとりで生活する力

留学時の友人との一枚(中央が鈴木)。この時の経験は人生でかけがえのないものだという
▲留学時の友人との一枚(中央が鈴木)。この時の経験は人生でかけがえのないものだという

Life is too short to waste――。人生は一度きりで、無駄にする時間なんてない。だからこそ、やりたいことにどんどん挑戦するべき!そう語る鈴木には、幼いときに彼女の母親から受けた言葉の影響が強くありました。

鈴木「幼い頃から、母に『何でもいいから真剣に打ち込めるものを見つけなさい』と言われて育ちました」

鈴木は幼い頃から、これと決めたら、とことん突き詰めていく子どもだったと言います。小学生の頃は、母親の影響ではじめたピアノに熱中します。しかし、転勤族だった父親の仕事の都合で引っ越しが度重なり、レッスンの継続を断念することに。次に夢中になったのは、勧められて通いはじめた塾でした。もともと「引き算もできないくらい勉強は苦手」だったと言いますが、中学受験を目指したころから一転。明確に示された目標やゴールに向かって課題をクリアしていく達成感や充実感から、学力もグングン伸び、見事、中高一貫の進学校に合格します。

鈴木「受験に合格したことで気持ちが切れてしまったんだと思います。いざ入学してみると、周りはもう東大や有名大学の受験勉強に向かっていて、自分とはちょっと違うなという違和感がありました。そんなストレスから、『もう行きたくないから制服捨てて』と両親に言ったこともありました。普通は学校に行きなさい、と言われると思うのですが、私の両親はその決断を認め、見守ってくれました」

高校卒業後、鈴木は好きな英語を仕事で活かしたいと、アルバイトで資金を貯めて留学します。行き先は、アメリカのロサンゼルス。とにかく英語を自分のものにしたくて、遊びに行くクラスメイトを横目に、一日何時間も勉強に没頭したと言います。その甲斐あって、語学学校での英語力は、留学当初の一番下のクラスから、半年後にはトップのクラスまで上昇。さらに上のレベルの学校に転校するまでになります。

鈴木「留学では英語力だけでなく、たくさんの経験ができました。日本では、自分と違う見た目や価値観をもつ人と距離を置きがちでしたが、違う文化や環境で育った人々と接することで、初対面の人やホームレスにさえもフランクに話しかけたりすることも。さまざまな価値観を認め合う生活に触れれ、視野も広がりましたし、考え方にも柔軟性が出たと思います。ひとりで生活する力も身につけました。現地に着いてすぐにシェアハウスを見つけて暮らしはじめ、休みの日はスケボーで日系スーパーまで行って、日本食を自炊する生活をしていました。よく学び、よく遊び、よく食べて、よく寝る!がこの頃からのモットーです」

「人生に寄り添う仕事を」。留学カウンセラーに転身

上司の大館(写真右)と鈴木。留学全般にわたる相談に応じている
▲上司の大館(写真右)と鈴木。留学全般にわたる相談に応じている

2013年に日本に帰国した後、鈴木はメンズファッションブランドの販売員としてキャリアをスタートさせます。配属されたのは、渋谷にあるインバウンド客が8割以上を占めるという店舗でした。

鈴木は持ち前の明るさやコミュニケーション力、そして用途や目的など顧客のニーズを探り出す会話力、自分の言葉で商品の価値を的確に伝える接客技術を身につけ、入社1年で、全国で5本の指に入るトップセールスウーマンに。その反面、次第に「一期一会」に終わってしまう顧客との関係に、物足りなさも感じはじめていました。

鈴木「接客は楽しかったのですが、もっとお客様に密着した、人生に影響を与えられるような仕事がしたいという想いが強くなっていったんです」

そんなとき、偶然に目にしたHIUCの留学カウンセラーの求人は、これまでの留学経験と販売スキルを活かせる魅力的な仕事に思えました。 鈴木がHIUCに転職したのは、2018年2月。入社時から鈴木を指導し、現在も上司であるHIUC東京校の拠点長である大舘慎介は、当時を「ヤバイ奴が来ちゃったなと思った」と笑って振り返ります。手渡された履歴書には、金髪の証明写真が貼られていました。しかし、大舘は、履歴書を見て「しっかりとした家庭で育った地頭のよい女性」だと直感したと言います。

大舘「実際話してみると、真面目で頑張り屋さん。入社後に実施した英語力をはかる試験では、ブランクがあるにも関わらず、トップの成績を叩き出しました。留学を目指して今勉強している現役の高校生や、大学を卒業したばかりの新入社員の成績も上回っていて驚いたのを覚えています」

鈴木は、2018年に入社後、HIUC東京校の留学カウンセラーとして配属。主に高校生を対象に、将来の進路や留学先の学校選びなど、海外留学全般にわたる相談に応じる日々がはじまりました。

保護者の心を動かすのは、本人が伝える熱い気持ち

HIUCには、海外に挑戦したい熱意のある若者が集まってくる
▲HIUCには、海外に挑戦したい熱意のある若者が集まってくる

HIUCでは、留学を検討している学生一人ひとりから、じっくりと話を聞くことを大切にしています。

鈴木「希望する留学先と期間を聞くだけでは、十分な留学プランの提案はできません。海外でどのような力を伸ばしたいのか、さらにその先のキャリアや人生設計までを聞き出すことが大切。そうしないと、留学することがゴールになって、その先の人生で迷ってしまうことになりますから」

鈴木は、留学カウンセリングの際に、必ず複数の選択肢を用意することを心掛けています。たとえば、パイロットになりたいと相談されれば、「国内大学を卒業し、航空会社の自社養成パイロットを目指す」「航空大学校に進学してライセンスを取得する」「海外大学で航空学を学びライセンスを取得する」など、複数の選択肢を提示するのです。

鈴木「比較することで考えが深められ、選択がしやすくなります。もちろん、『しっかり勉強できるけど、時間と費用が掛かる』『この方が就職先は多い』など、メリットやデメリットなどもしっかりと説明します。そうすると、自分のなりたい姿、勉強したい内容が明確になって、目標が定まりやすくなるんです」

そしてもうひとつ、鈴木がカウンセリングで意識しているのは「本音を言ってもらうこと」。

鈴木「留学プランの提案だけではなく、時には姉のように、また時には友達のように、学校での出来事や友達のこと、趣味の話や好きな音楽の話まで聞いたりします。信頼してもらわないと、相談なんてしないですよね」

カウンセリングルームでは、肩肘張らない自然なやりとりが続きます。そんな鈴木を慕って、わざわざ学校帰りに相談に訪れる高校生も少なくありません。

一方で、英語教育改革などをはじめ、グローバル人材育成の必要性が声高に説かれていても、海外留学に対してネガティブな考えや「海外に行く意味が分からない」という保護者の方もいます。しかし、鈴木から保護者を説得するようなことはしません。

鈴木「保護者の気持ちを動かすのは、本人の熱い気持ちがポイントになるからです。両親から反対されていると相談されたときには、その不安や懸念材料を払拭する材料を一緒に探しますが、最後は、本人に『自分から言ってごらん』とアドバイスしています」

うまく言葉にできない、自分の言葉で人に気持ちを伝えることが苦手な学生には、プレゼンテーションの練習まで付き合います。こうしてこれまで多くの学生が海外留学に向けた勉強をスタートさせてきました。

人生は一度きり。「一歩踏み出してよかった」と思える経験を

鈴木がサポートする、海外を目指す若者たち
▲鈴木がサポートする、海外を目指す若者たち

鈴木はHIUCでの留学カウンセリングを通して、その子の人生のプロセスに少しでも寄り添える存在になることを目指しています。

鈴木「私は特に能力が高いわけでもないし、何か特別なことをしているつもりはないんです。ただ、留学したい、海外に行きたい、と思っている子に対していろんなアドバイスや方法を考えて提示して、背中を押す。最終的に人生を決めるのは本人ですが、少しでもそのプロセスに必要な力になれればと思って取り組んでいます。もともとの何でも思ったことをハッキリ言ってしまう性格が、ある意味、この仕事に役立っているかもしれません(笑)」

今の若者たちは、海外留学や海外赴任に消極的で「内向き志向」と言われています。

鈴木「誰でも海外にちょっとした興味や憧れはあると思いますが、恐怖心や費用の問題で、一歩を踏み出さない子が多いと思います。情報を集める前に諦めてしまうのはもったいないと思います。海外に行くことで見える世界や、変わる価値観があります」

鈴木自身、留学時代を振り返り、もし今、留学していた頃に戻れるとしたら、自分に教えてあげたいことがあると言います。それは、「海外大学に進学することは、難しいことではない」ということ。

鈴木「当時は、私のレベルで大学に進学できるということを誰も教えてくれなかったし、大学に関する情報も少なかった。それに、学力面・費用面でも『夢のまた夢』だと思っていました。でも今、実際にこの仕事に就いてみると、当時の自分にも、さまざまな選択肢があったんだなということが分かります。もし知っていたとしたら、語学学校から進学する道を選んだだろうなとも思います」

鈴木は、海外に行って、あらためて日本の良さを感じることができたといいます。

鈴木「やっぱり日本はいい国だなあって、海外に行って思うことがたくさんありました。ご飯もおいしいし、みんな親切で礼儀正しい、本当に平和で、私もあらためて日本人として生まれたことに感謝しています。それも海外に行かないと分からないことでした」

そんな鈴木が身をもって感じた体験をもとにした言葉だからこそ、届くものがあります。

「あのとき、一歩踏み出してよかった!と思える経験を提供したい」。「誰かの人生に深く、大きく関わる仕事がしたい」。そんな思いを胸に、鈴木は今日も、カウンセラーとして学生一人ひとりに寄り添い続けます。

※ヒューマン国際大学機構のウェブサイトはこちら:https://hiuc.athuman.com/

※2018年9月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。肩書き・役職等は取材時のものとなります。

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