ヒューマンリソシア株式会社
CS/SS推進室 室長
佃 里美(Satomi Tsukuda)
1998年4月ヒューマンリソシア株式会社に入社。人材派遣サービスの営業担当として活躍。その後、スタッフサポート担当として派遣スタッフのフォロ ーに従事。2021年10月、CS/SS推進室 室長に就任。派遣スタッフのフォロー、顧客企業への提案を通じ、スタッフの満足度向上と長期的な関係性構築により、売上貢献を目指す。 ※CS/SS…カスタマーサティスファクション/スタッフサポートの略称
私が取り組むSDGs
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目標5
ジェンダー平等を実現しよう
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目標8
働きがいも経済成長も
私が力を入れて取り組んでいるのは、ヒューマンリソシアで働く派遣スタッフの方々が“自分らしく、いきいきと働く”ためのサポートです。現在、多くの派遣スタッフが活躍されていますが、その中心となるのは女性。結婚・出産・育児…といったライフイベントを経てもなお、スキルを磨き、充実した日々を過ごされる方がたくさんいらっしゃいます。一方、働き続けることを断念する人もいらっしゃいます。このような現実に目を向け、一人ひとりの派遣スタッフの人生に寄り添い、“仕方がないこと…”と諦めない。自分の得意なことや好きなことを大切にし、希望する限り働き続けられる社会を作っていきたいと考えています。
向き合う社会課題
私は、1998年にヒューマンリソシアに入社して以来ずっと、派遣スタッフの方々と関わる仕事に携わってきました。派遣スタッフの多くは女性で、自ら“派遣”を選択される方もいれば、正社員での雇用が叶わない状況で、やむを得ず“派遣”を選択される方もいらっしゃいます。スタッフの方々は、様々な事情から、“派遣”という働き方を選ばれています。また、出産や育児、介護のため会社を辞めざるを得なかった、復職したけれど経験が活かせる仕事に就けなかった、ブランクがあると“もう一度仕事をすること”への心理的ハードルが高い…などの声も多く聞いてきました。
たとえば、育休明けで新たに仕事をされる場合。保育園に入れるかが重要ですが、簡単に入れないケースも多々あります。さらに、育児との両立となれば、時短勤務が可能な職場を望まれる方も多くいます。他にも子どもが熱を出した場合のお休みなど、気になるところがたくさん。そんな状況から「仕事が見つからないのではないか…」と、不安を感じられる方も多くいらっしゃいます。
確かに以前に比べたら、女性の社会進出は大きな変化を遂げたと言えるでしょう。しかしながら、“派遣スタッフのキャリア”については、まだまだぶつかる壁が多いのが現状なのです。
解決に向けた取り組み
派遣スタッフの方々が抱える不安を少しでも解消することはできないか―。そのような思いから、2021年10月に、これまでのスタッフサポート部門を拡大し、CS/SS推進室を立ち上げました。私は、スタートと同時に室長に就任。現在はそれぞれの派遣スタッフが、自分に合った職場で長期にわたって活躍できるよう、さまざまな取り組みを企画・実施しています。派遣スタッフの方の定期的なフォローを通じて、仕事の悩みや今後の働き方についてお聞きするのはもちろんのこと、私たちからも積極的に情報を発信。何かあったときに“いつでも気軽に相談できる関係”を目指しています。
「派遣」という働き方は、就業先の社員とは違い、雇用元は派遣会社となります。そのため、仕事で困ったことがあっても、なかなか相談がしづらいケースや、今後の契約がどうなるのかという不安を感じる場面もあります。だからこそ、“気軽に相談できる人”が必要であり、私たちがその役割を担えたらと考えています。結果として、それが派遣スタッフの方の「安心」につながり、派遣先企業へ、そして社会への貢献につながると信じています。
確かな手応え、見えてきた成果
派遣スタッフの方々が働きやすい環境づくりを目指す中で、少しずつ形になってきたと感じられる出来事が増えてきています。
ある派遣スタッフの方は、出産のタイミングで仕事を離れたのですが、お子さまの保育園入園が決まり仕事に復帰したいとお考えでした。しかしながら、時短勤務、かつ週数回のテレワークを希望していたこともあり、仕事探しに苦戦する日々が続いていました。ご本人も難しいのかも…と不安になる中、私たちも話を聞きながらアドバイスやフォローを重ねていきました。その後、条件がマッチする企業が見つかり、無事に就労が決定。派遣スタッフの方もとても喜ばれ、「ヒューマンリソシアで働けて本当に良かったと思っています」と感謝の言葉を寄せてくださいました。現在も育児と仕事を両立させながら活躍されていて、私も自分のことのように嬉しく感じた出来事です。
私が目指す未来
私はヒューマンリソシアに入社して20年以上になりますが、これまで本当に恵まれた環境で働かせていただいていると感じています。女性ということで、不利益をこうむったことも、理不尽さを感じたこともありません。産育休についても、2回取得をしましたが、2回とも安心して休みを取得し、復帰することができました。また、復職後も、周囲の方々は、子育てをしながら働くということを理解してくれました。このようなサポートがあり、これまでの経験を活かしキャリアを止めることなく働けていると感じています。性別で判断するのではなく、それぞれの社員の能力や適性を活かして仕事に取り組める環境に心から感謝しています。
だからこそ、派遣スタッフの方々にも同じような経験を積んでもらいたいと願っています。正社員だから、派遣だからと雇用形態の枠で考えるのではなく、働くことを望む人たちの希望が叶う社会を作っていきたい。働く理由もさまざまでいいと思いますし、働き方もいろいろあっていいのだと思います。私たちが介在することで、現状に満足していただけるだけではなく、スタッフそれぞれが、働くことを通じて価値があるものを見出してもらいたい。個々の特性を活かし、その集まりが生み出す力で会社が掲げる大きな目標を達成できる。そんな未来を目指していきたいですね。
※2022年1月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。肩書き・役職等は取材時のものです。