【介護】誰もが住み慣れた街で暮らせるように。新たな「介護サービス」の仕組みを創る~これが私の挑戦

【介護】誰もが住み慣れた街で暮らせるように。新たな「介護サービス」の仕組みを創る~これが私の挑戦

ヒューマンライフケア株式会社 
地域包括営業本部 マネージャー

大槻 育海(Ikumi Otsuki)

介護施設職員としての経験を積んだ後、ヒューマンリソシアに入社。介護医療に携わる人材の派遣・人材紹介の営業として活躍。その後、175以上の介護事業所を運営するヒューマンライフケアに転籍する。現在は、新規事業所開設や既存事業所の運営・採用・施設管理など、幅広い業務に従事。16拠点の運営マネジメントを手がけるエリア長として力を発揮している。 ※事業所数は2021年7月末時点

私が取り組むSDGs

  • 3すべての人に健康と福祉を

    目標3

    すべての人に健康と福祉を

私が取り組んでいるのは、ご利用者さまからのさまざまな希望に対応した介護サービスを提供することで、誰もがいきいきと充実した人生を歩んでいただけるよう支援していくことです。たとえ介護が必要になったとしても、住み慣れた地域で暮らし続けられるような仕組みを創りだしていきたいと考えています。

向き合う社会課題

これまでヒューマンライフケアでは、国の介護保険制度に基づいたデイサービス・訪問介護など、「在宅介護」の事業に注力をしてきました。その中で見えてきたのは、“在宅介護の限界”です。場合によっては食事、お風呂、トイレ…といった日常生活における全てに介護が必要なこともあり、家族の負担はとても大きなものになっていたのです。他にも、認知症の発症や進行状況から、在宅での生活が困難になる方が多くいらっしゃいました。

住み慣れた街から離れることを望む方はいらっしゃいません。誰もが大好きな場所、大切な人の近くで暮らしたいと考えているものです。そして介護をする家族の方も、できる限り自宅での暮らしをさせてあげたいと考えている。けれども、それが叶わない状況を目の当たりにすると、本当に悔しく、介護に携わる者としてなんとも言えないやり切れなさを感じていました。

解決に向けた取り組み

私たちが課題解決の一つとして取り組んできたのが、「多様な介護・医療ニーズを提供できる体制の構築」です。1つの事業所では、できることは限られてきますから、ヒューマンライフケアでは一定地域に複数の事業所を開設するドミナント展開を実施。神奈川県川崎市では、認知症の方が少人数で自立した共同生活を送る「グループホーム」、通い・泊り・訪問サービスを柔軟に組み合わせながら在宅生活を支える「小規模多機能型居宅介護」「看護小規模多機能型居宅介護」など多くの事業所を構えることで、一人ひとりの要望に合ったサービスを届けてきました。

さらには、訪問診療や訪問看護、訪問歯科などを提供する医療機関との連携や、地域の自治会、近隣の幼稚園や小学校など教育機関、外部の事業所との交流を図りながら、地域に密着した施設づくりを心掛けています。ここで、私たちが特に大事にしているのは自社が運営する介護施設だけで考えるのではなく、役所・ケアマネジャー・医療機関といった外部との連携をしっかりとること。ご利用者さまを任せられる病院はどこだろうか、どのような考えを持ったケアマネジャーの方なのか―。そういった「関わる全ての人の顔が見える関係作り」に力を入れていくことが、よりよいサービスにつながっていくと考えています。

確かな手応え、見えてきた成果

ドミナント展開を実施している川崎エリアにおいては、様々な相乗効果を感じています。医療依存度が高いご利用者さまには、あちらの事業所が合っているのではないか。自宅での生活を中心に考えたいご利用者さまには…、介護されるご家族の負担を軽減させたいご利用者さまには…と、さまざまなニーズに耳を傾けることができるようになってきています。

同時に介護サービスをご利用になった方々から嬉しいお言葉をいただくと、自分の仕事の意義を感じることができます。先日は、あるご利用者さまのご家族から「自宅で最期を迎えることができて本当に良かった、ありがとうございます」という言葉をいただけました。ご利用者さまにとっても、ご家族にとっても幸せな時間を過ごすことができたのだと、仕事のやりがいを感じた瞬間でしたね。他にも、入退院を繰り返し、体力が落ちてしまっていたご利用者さまが、介護サービスを利用することで入院する前と同じぐらいの元気になられた姿を見て、本当に嬉しく感じた出来事もありました。

私が目指す未来

私たちは「グループホーム」や「小規模多機能型居宅介護」「看護小規模多機能型居宅介護」の展開、医療との連携などを通じて、サービスクオリティの向上を目指してきました。ですが、まだ全ての方のお気持ちに寄り添えているわけではありません。今後も、誰もが住み慣れた地域で暮らし続けられることを目指し、終末期患者の痛みや症状の緩和に焦点を当てた「在宅ホスピス」などの展開も進めていく予定です。

私たちが日々、真剣に向き合っていることは電気や水道、公共の移動手段と同じぐらい人々の生活に密着したものであり、「介護サービスは生活インフラである」といっても過言ではないと本気で思っています。だからこそ、現場の最前線で働くスタッフにもきちんと伝えていきたいのです。自分たちの仕事がこんなにも多くの人の笑顔や生きがい、そして豊かな人生を生み出しているのだと。人のため、社会のため…そんな考えが中心にある事業所を増やしていき、質の高いサービスを継続的に提供していきたいと思います。

※2021年8月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。肩書き・役職等は取材時のものです。