ヒューマンリソシア株式会社
GIT事業本部 本部長
今関 彰範(Akinori Imaseki)
2000年ヒューマンリソシア株式会社に新卒入社。人材派遣事業部の営業としてキャリアをスタートさせ、その後、さいたま支社長、東日本エリア・中日本エリアの営業本部長に。2021年4月、海外ITエンジニア派遣サービスを手掛けるGIT事業本部長に就任。海外エンジニアの活用支援を通じて、企業のDX推進に注力している。
私が取り組むSDGs
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目標4
質の高い教育をみんなに
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目標8
働きがいも経済成長も
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目標10
人や国の不平等をなくそう
私が取り組む“GIT事業”とは、2016年に立ち上がった事業で海外ITエンジニアの派遣サービスです。GITというのは、Global IT Talentの略。日本の文化や日本製品の高い品質を支える生産技術や品質管理に憧れを抱き、「日本で働きたい」と考える海外エンジニアと、エンジニアの力を必要とする日本企業を派遣という形でつないでいく役割を担っています。
グローバル人材が日本でもやりがいを持っていきいきと働ける環境を創ること。そして、その活躍を支援することで、日本企業の発展・成長に貢献していく。これが私の挑戦です。
向き合う社会課題
現在、日本企業における人手不足の状況は深刻です。中でも、総務省のデータによれば、IT人材の不足は50万人以上にもなると言われています。今後は、システム開発に限らず、AIやビッグデータ解析など新たな分野への広がりを考えると、IT人材へのニーズは尚一層高まっていくことになるでしょう。
そのような状況下で、国内におけるIT人材不足が続けば、日本の経済成長という視点から考えても、大きな社会課題になっていきます。だからこそ、我々もどうにかしてこの課題をクリアしなければならない、そんな強い危機感を抱いていました。
解決に向けた取り組み
国内におけるIT人材の不足に対して、私たちが注目したのは“海外の優秀なエンジニアの活用”です。海外人材の活用については、「日本語能力」の懸念から日本企業での活躍・定着が上手く行きづらいとされていました。ですが、ヒューマングループが持つアセットを考えた時、可能だと気づいたのです。
それは、国内トップクラスの規模を誇る「日本語学校」の存在です。人材事業を行っている我々と、“日本語の会話力向上”を強みとする「日本語学校」が連携して取り組むことで、海外の優秀なエンジニアに対して実用的な日本語教育を実施することができる。大きな期待が高まりました。
その後は、日本語学校の運営を手掛けるヒューマンアカデミーと協力しながら、短期間で日本語力を磨くカリキュラムを新たに開発したり、海外人材を受け入れる日本企業に対して受け入れ理解が進むよう丁寧な説明を行なったり…。双方にとって最高の出会いを創り、海外のエンジニアの活躍を支援して参りました。
確かな手応え、見えてきた成果
現時点では、ヨーロッパ、北米・中南米、インドネシア、タイ、ミャンマーほかアジア各国など40以上の国でエンジニアを採用しており、その数は約800人を超えました。徐々に外国籍のITエンジニアを受け入れる日本企業が増えてきており、確かな手応えを感じています。
最初は、外国籍のエンジニアと働くことに慣れていなかった日本企業の方々も、GITのメンバーを受け入れることによって外国人雇用に関する採用・定着に関するノウハウを蓄積されています。労働人口が減少していく状況下で、人材確保における有効な手段になると感じていらっしゃるようです。
以前、ある企業の人事の方から嬉しいお言葉をいただきました。その企業の新卒内定者から「外国籍の方と働けるのは嬉しい」「御社のようなグローバル企業に入社したい」という声をもらったそうです。海外のITエンジニアを採用することは労働力不足の解消だけでなく、社内がグローバル化し、さまざまな価値観が生まれることへとつながります。企業文化の発展という視点で見ても、大きなメリットになるのだと感じました。手がけている仕事の意義を感じられた瞬間でもありました。
私が目指す未来
2020年、新型コロナウィルス感染症の拡大によって、GIT事業の取り組みは大きな影響を受けました。すでに日本で働くことが決まっている海外のITエンジニアに対して入国制限がかかり、入国・入社できない状況が発生したのです。その一方で、コロナによって人々の「働き方」の概念が大きく変わりました。多くの方が「場所」に縛られず働けることを体験したことによって、今後「場所」や「時間」といった制約はますます取り払われていくでしょう。その中で、近い将来に向けて、海外で暮らすITエンジニアの力を活用し、日本企業を発展させていくことも十分に可能なのだと考えています。
いま、GIT事業では「Global」×「Work」×「Free」をテーマとした新しい働き方を模索しています。グローバルに多様で柔軟な働くスタイルを通じて、海外のITエンジニアが活躍できる場を大きく広げていきたい。そして、その実現こそが、日本企業の発展、そして持続可能な経済成長へとつながっていくのだと確信しています。
※2021年8月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。肩書き・役職等は取材時のものです。