ヒューマンリソシア株式会社
DXソリューション事業本部
GIT事業部 GIT営業部1課
高 原(コウ・ゲン)
中国・雲南省文山市(中国の最西南部に位置する雲南省の県級市でベトナムと隣接。人口約43万人)出身。中学3年生のとき、アニメ好きな友人の影響で初めて日本のアニメにふれたことがきっかけで、日本のアニメやゲーム、音楽、バラエティ番組、アイドルなど日本のポップカルチャーに夢中になる。同時期から日本語の勉強を開始。大学ではインテリアデザインを専攻しながら本格的に日本語の学習を再開。週末や夏休みを利用して日本語の授業を受け、1年で日本語能力試験のN1(N1~N5があり、N1は最上位レベル)に合格。2018年6月に大学を卒業し、7月に日本の大学院への進学をめざして来日。1年目に受けた入試は不合格となるが、外国人向けビジネス専門学校に通いながら浪人生活を送り、2回目の受験で志望校に合格。大学院でビジネス日本語や情報処理を学ぶ。2023年9月に大学院を修了し、2024年4月、ヒューマンリソシア株式会社に入社。GIT事業部GIT営業部1課にて、海外ITエンジニア派遣(GIT)の営業を担当している。
「なりたい自分像」と日本
来日して自分の世界が広がり、
夢も日本語教師から「日本で働く」ことに変化した
中学3年生のとき、アニメなど日本のポップカルチャーに初めてふれ、生まれ育った中国の小さな町から視野が広がりました。その頃から日本に憧れ、日本語を学び始めたのですが、故郷の町には日本語を話せる人が一人もおらず、また高校進学のプレッシャーもあって「日本へ行く」という夢を一度あきらめました。
それから4年が経ち、大学に進学して再び日本語の勉強を始めました。在学中に日本語能力試験のN1に合格し、準備を重ね、2018年に憧れの日本へ渡ることができました。
来日当初は、日本で日本語教育を学んだあとは中国に帰り、生まれ故郷で初の日本語教師となって中国と日本の架け橋になりたいという夢を描いていました。けれども、日本で生活を送るうちに「なりたい自分像」が少しずつ変わっていきました。
中国での大学時代は引きこもりがちで昼夜逆転に近い生活を送っていましたが、来日後は「自分を変えたい」と思い、多くの新しいことに挑戦。飲食店でのアルバイトや登山に挑戦したり、好きなバンドや歌手のライブやイベントに参加したりして、自分の世界が大きく広がっていきました。
日本の大学院修了を控え、将来の進路を考えたとき、「日本で働く」という選択肢が私の中で現実的なものになりました。専門学校や大学院で日本での就職に必要な知識は身につけていましたし、好きなバンドや歌手がいて、趣味の仲間や友人も多い日本での生活が、実生活としても精神的にもとても豊かだと感じたからです。
日本での就職活動を始めた頃は「自分にはどのような仕事が向いているか」をひたすら考え、迷いました。悩んだ末、「外国人だからこの仕事がいい」という考えではなく、「自分が挑戦したいことは何か」を考え直すことにしました。全力で就職活動を進めた結果、ヒューマンリソシアから内定をいただき、日本で働くことを決めました。ヒューマンリソシアを志望した理由は、日本語力をもっと鍛えるために営業職をめざしていたことに加え、営業職の中でも特に、人材サービスの営業は人が対象なだけに予測のつかない要素が多く、この仕事で得た経験は将来どのような環境においても役立つと思ったからです。
実際に日本の企業で働くということ
日々の努力の積み重ねが、
自分の成長と自信につながっている実感がある
研修を終え、初めて配属された日の午後のことを、私は決して忘れません。その日、人見知りで電話が大嫌いだった私が、初めて営業の電話をかけたからです。
最初は緊張と不安で一杯で、課長が隣で見守っているというプレッシャーもあり、「なんとかやらなきゃ」という気持ちで電話をかけました。しかし、10本目の電話をかける頃には不安も和らいでいて、自分でも驚きました。不安よりも「アポイントを取りたい」「次のステップに進みたい」という気持ちがどんどん強くなり、初日の午後、ついに私は人生初の商談アポイントを取ることができました。その喜びは、初めて成約を取ったときの喜びにも劣らないほどでした。
初めての商談は、先輩社員に同行し、私はただメモを取るだけでした。あのとき、半年後には自分ひとりで商談をリードできるようになるなんて、想像もできませんでした。
この成長こそが、いまの私が感じるやりがいの源です。まだ社会人1年生で、営業とIT知識の習得をはじめ、日々新しいことを学ぶのに苦労していますが、その過程で着実に成長を実感しています。毎日の努力の積み重ねが、少しずつ自信につながっていると思います。
私がどのようなポジションにいても変わらないのは「日本に憧れる外国人が、この国でより楽しく充実した生活を送れるように支援したい」という気持ちです。GIT営業の仕事を通して、日本に夢を抱いて来日した多くの外国籍エンジニアが、ここで自分のキャリアを築きながら、生活面でも安心して過ごせる環境を提供することが、私の目標です。
夢を追って来日した外国籍の方々を支援し、
日本で夢を実現するための力になりたい
GITのエンジニアたちは、日本の文化や技術に強い憧れを抱き、初めから高い意欲を持っています。彼らと話すたびに、その目の輝きを感じ、「彼らが長く日本で活躍できるよう支えたい」と思いを新たにします。仕事での私の目標は、自分の営業を通して外国籍のエンジニアに幸せをもたらすこと。その実現のために、具体的には、行動量とスピードをさらに上げ、営業力を高めてよりよい現場を提供し、エンジニアが希望する仕事や技術を高められるようサポートしていきます。また、エンジニアとのコミュニケーションを密にして、より深い信頼関係を築き、仕事だけでなく生活面でも相談に乗れる存在をめざします。
私は一人っ子なので、将来的には中国に戻り、故郷で日本語教師になるかもしれません。しかし、日本語教師に限らず、日本と海外をつなぐ架け橋になれる方法はたくさんあることに気づきました。これからも営業とコミュニケーション力を磨き、夢を追って来日した外国籍の方々を支援していきたいと考えています。
※2024年11月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。肩書き・部署名等は取材時のものとなります。