ヒューマンアカデミー日本語学校東京校
常勤講師
安 晶敏(アン・ジョンミン)
韓国・ソウル出身。高校入学後、第二外国語の専攻に日本語を選択し、日本語を学ぶ面白さに目覚め、日本にも興味を持つ。高校2年時、2歳上の兄が日本の大学に留学したことがきっかけで、自身も日本への留学を考えるようになる。子どもの頃から得意だった美術で受験勉強に取り組み、日本の芸術大学に現役合格を果たすが、自分が本当にやりたいことを考え直した結果、再受験を決意。一年後の2020年、日本文学科のある日本の大学に合格し、来日。大学では日本語教育を専攻する。在学中に履修した日本語教師養成講座がきっかけで、日本語教師を志し、2024年4月にヒューマンアカデミー株式会社に新卒入社。現在は、ヒューマンアカデミー日本語学校東京校で常勤講師として初級者向けクラスを担当している。
「なりたい自分像」と日本
高校の第二外国語で日本語を学び、多くの達成感を得た経験が、
日本の大学留学や日本語教師の夢へとつながった。
私は高校時代に第二外国語として日本語を選択し、日本語を勉強することで「達成感」をたくさん味わうことができました。努力して勉強することで自分に「できること」や「わかること」が増え、自分自身の成長を実感でき、自信につながっています。こうした経験から、成長して達成感を味わうことで自信を持ち、自分の夢に近づいていくことをサポートする人になりたいと考えるようになりました。そんな「なりたい自分像」を実現できる仕事の一つが、現在の「日本語教師」という仕事でした。
韓国の高校で学んだ日本語は「読むこと・書くこと」に重点を置いていましたが、やはり外国語を学ぶ醍醐味は「その言語で人とコミュニケーションができるようになること」にあると思い、日本への留学を決意しました。その後、大学卒業を控え、就職活動を始めたときは日本の一般企業への就職を考えていましたが、「大学時代に自分が一番力を入れたことは何だろう?」と振り返った結果、在学中に取り組んだ日本語教師養成講座だったと気づき、日本語教師の道を選びました。ヒューマンアカデミー日本語学校は、会話中心の授業で学習者の「できる」を増やすことを大切にしており、私の理想とする日本語教育を実践しています。採用面接の際、「安さんは自らも外国語として日本語を勉強した経験があるので、より学習者に寄り添うことができると思います」という温かい言葉を頂戴したことも、私にとってはとても嬉しく、心強くもありました。
現在は学生に日本語を教えるほか、出欠管理や進学などの指導、また、オリエンテーション時の韓国語対応なども行っています。学生は出身国や母語はもちろん、性格や考え方も人それぞれ違うので、一人ひとりにどのように指導すればよいか、難しく、いつも悩んでいます。けれども、学生から「私の先生になってくれてありがとうございます」という感謝の言葉をもらうと、やりがいを感じて、また頑張ろうと思えます。
実際に日本の企業で働くということ
日本は「過程」と「感謝の気持ちを伝えること」を大事にする国。
努力の過程が評価され、感謝の気持ちを伝えあうことが働き甲斐にもつながる
実際に働く国・環境として日本を考えた際、日本や日本人には素晴らしい美点が2つあると感じています。第一が、「過程」を大事にすること。韓国では試験の点数や資格、スキルや経験など、自分がどれだけ優れているか(結果)をアピールすることが大事です。もちろん、結果がよくて、能力が優れていることも重要ですが、日本ではその人がどのような目標意識を持って頑張ってきたのか、その「過程」を大事にしていると感じます。結果だけではなく、その過程や人柄を含めて評価してもらえる環境だからこそ、未経験のことにも恐れずチャレンジし、自分自身をより理解して目標意識を持って生き生きと働けると思います。
誰かの力になれる存在になりたい。
そのためにも、学び続け自分が成長していくことが必要
自分の日本語力と日本語を学んだ経験を活かして誰かをサポートする、学習者の成長や夢の実現をサポートする、という「なりたい自分」の方向性は今後も変わらないと思います。誰かのサポートができる人は必ず、何らかの「できること」がある人だと思います。もっと自分の「できること」を増やすために、これからも勉強し続け、成長していきたいです。具体的な当面の目標は、2024年4月に新設された日本語教師の国家資格(登録日本語教員)を取得することです。
また、社会人になって学んだのは、チームで協力し合うことの大切さです。職場でも、チームの一員として良い影響を与えることができる人になりたいと感じています。「安先生ってどんな人?」と聞かれた人が、「顔を見るだけで元気になれる先生」と答えてくれるような存在になれたらいいな、と思っています。
※2024年10月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。肩書き・部署名等は取材時のものとなります。