ヒューマンライフケア株式会社
ヒューマンライフケア グループホーム高津 介護職
グェン・ティ・ゴック・ミー
ベトナム中北部のハティン市出身。子どもの頃から「人の役に立ちたい」という気持ちが強く、看護師を志し、国立ダナン大学 医学・薬学部で看護学を専攻する。最終学年時、大学で受講したセミナーがきっかけで、日本の介護の仕事に関心を持つ。大学卒業後の2020年2月、ヒューマンライフケア株式会社の介護技能実習生として来日。約1ヶ月間の研修後、神奈川県川崎市のヒューマンライフケアグループホーム高津に配属となり、現在も同グループホームで介護スタッフとして勤務している。2024年1月、ヒューマンライフケアの介護技能実習生としては初めて、介護福祉士国家試験合格者となった。
「なりたい自分像」と日本
ベトナムにはない日本式の介護にカルチャーショックを受け、
自分自身の成長につなげるために来日
私は子どもの頃から「人の役に立ちたい」という気持ちが強くありました。看護師になりたいと思い、大学では看護学を専攻しました。
私の人生に「日本で働く」という選択肢が現れたのは、卒業試験の準備をしながら病院で実習をしていた大学4年生のとき。大学内で日本の介護に関するセミナーや短期授業が開催され、気になったので参加してみたのです。そこで初めて先進的な日本の介護を知り、非常に驚きました。ベトナムでは、自宅で家族が高齢者の介護を行うのが一般的で、専門の介護施設はほとんどありません。しかし、日本では病院ではなくホームのような場所で、介護の専門職の人たちが高齢者のケアをしています。設備も非常に進んでいて、介護スタッフが働きやすいように昇降可能な電動ベッドやトイレ、介護用入浴装置などが普及しており、施設には高齢者の安全のために手すりも備え付けられています。当時のベトナムには高齢者を介護する『介護職』が存在しなかったので、とても新鮮で学びがいのある職業だと感じました。「日本で、日本式の介護を学んでみたい」「日本は自分を成長させるのに最適な環境だ」と思い、大学卒業後は日本で働くことに決めたのです。
そこから、日本へ行くための準備を始めました。大学内の日本語学習プログラムに参加し、日本語の勉強を始めるとともに、ヒューマンライフケアが技能実習生を募集するタイミングで面接に登録。卒業後の2020年2月、ヒューマンライフケアの介護技能実習生として来日を果たしました。
実際に日本の企業で働くということ
言語の壁と考え方の違いに心が折れそうになったが
友人や同僚のサポートのおかげで乗り越えられた
介護の仕事を長く続け、訪問介護などにも挑戦したい。
いろいろな仕事を経験しながら「理想の自分」を模索したい
日本で働くうちに、外国人が介護の仕事を長く続けていくには介護福祉士の資格を取得することが非常に重要であると実感しました。2023年6月から介護福祉士について情報収集を始め、9月から本格的に勉強を開始。毎日の学習計画を作成し、参考書や受験勉強用アプリ、ベトナム人の先生の指導を受けながら猛勉強し、初挑戦で合格しました。まだ自分のキャリアは非常に限られていると認識しているので、もっと日本語を上達させ、与えられた仕事をきちんとこなすよう努めながら、より多くの知識と実務経験を培っていきたいです。日本で4年以上働く中で、介護とは、支援が必要な高齢者の身体的なケアだけでなく、心のケアも重要であることを学びました。ご利用者様の自立支援と尊厳の保持を重視したケアが不可欠です。そうした「心のケア」をもっと深めていきたいですし、今後は訪問介護などの仕事も経験したいです。いまは日本語能力の向上が優先課題ですが、可能であれば英語や中国語など新しい言語も学んでみたいです。今はまだ「なりたい自分」は明確ではありませんが、いろいろな仕事を経験しながら、どんな自分が理想なのか、じっくり考えていきたいと思っています。
※2024年8月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。肩書き・部署名等は取材時のものとなります。