レベルの高い日本のB.LEAGUEは、<br>選手としても人としても成長できる最高の環境。
My Life

レベルの高い日本のB.LEAGUEは、
選手としても人としても成長できる最高の環境。

B.LEAGUE B1所属 大阪エヴェッサ
プロバスケットボールプレーヤー

レイ・パークスジュニア

フィリピン出身。1993年2月19日生まれ。身長193cm、体重96kg。大学在学中からフィリピン代表として活躍し、2013年にプロとしてのキャリアをスタート。2015-16シーズンはNBAの下部組織であるDリーグ(現Gリーグ)、テキサス・レジェンズに在籍。2016年にフィリピンに戻りプロリーグでプレーしていたが、2021年、その活躍がB.LEAGUE名古屋ダイヤモンドドルフィンズの目にとまりオファーを受け来日。3シーズンプレーしたあと、今季から大阪エヴェッサの一員に。得意とするスリーポイントシュート、そして気迫あふれるディフェンスでチームの勝利に貢献することが期待されている。

なりたい自分像

プロバスケットボールプレーヤーの父に憧れ
夢中で練習した子ども時代

父がプロのバスケットボールプレーヤーだったこと、そしてフィリピンではバスケットボール人気がとても高いこともあり、子どもの私がバスケットボールに夢中になったのは自然なことでした。私にとって父はスーパーヒーローで、父のような偉大な選手になりたくてたくさん練習しました。そうして毎日練習し続けていることで自然と仲間が増え、お互い切磋琢磨し、バスケットボールも上達していったのだと思います。仲間と一緒にゲームをすることが本当に楽しかったです。当時から将来はプロバスケットボールプレーヤーになるのが夢だったので、スキルトレーナーから技術を教わることもしていました。

そしてバスケットボールの本場で武者修行するために、13歳の時に渡米しました。アメリカでもハードトレーニングをし、同年代ではトップ50に入ることができましたが、父が病気になったこともあり18歳の時に帰国。しかし、その後進学したフィリピンの大学在学時の2011年にはフィリピン代表に選ばれました。

その後、再び渡米し、NBA入団を目指してアメリカのNBAサマーリーグ(ドラフトで指名されたルーキーや、あまり出場機会がない若手のためのリーグ)に参加。テキサス・レジェンズと契約し2015‐16シーズンはNBAのDリーグ(現在のGリーグ。NBAの下部リーグ)でプレーしました。しかしNBAのチームとは契約することができず、フィリピンに帰国。フィリピンのプロバスケットボールリーグでプレーしていました。

日本でプレーするということ

日本語で話すことでよりフレンドリーになれる

日本に来たのは2021年、28歳の時。B.LEAGUEの名古屋ダイヤモンドドルフィンズからオファーしてもらったのがきっかけです。2016年にスタートしたB.LEAGUEは年々レベルが上がっているということを、同じフィリピン代表のサーディ・ラベナ選手から聞いていました(注/B.LEAGUEでは2020-21シーズンからアジア特別枠を設けており、ラベナ選手はその第1号として来日)。サーディ選手にはキーファー・ラベナ選手という兄がいて、キーファー選手も現在はB.LEAGUEでプレーしていますが、彼らの父もフィリピンのプロバスケットボールプレーヤーだったため、子どもの頃から家族同士の交流があり仲がよかったのです。私より1年前に来日していたサーディ選手から日本のこと、そしてB.LEAGUEの話をいろいろ聞けていたことが、日本でプレーする決心の大きな要因となりました。

もともと日本にはとてもいい印象を持っていました。フィリピンと日本は距離も近いので、フィリピンから日本へ観光に行く人もたくさんいます。そうした人たちから、「経済がすごく発展している」「食事がおいしい」「文化が素晴らしい」「人がとてもフレンドリーで親切」「治安がとてもよくて安全」ということを聞いていました。実際に来てみるとその通りで、とても生活しやすいです。とくに食事は本当においしくて、大好物は焼肉とお寿司。めっちゃおいしいです!

一つだけ困るのは、あまり英語が通じないこと。そこで、少しずつですが日本語の勉強をしています。日本語は難しいですが、私は語学を勉強することがあまり苦ではなく、少しでも日本語で話すと相手もよりフレンドリーになってくれます。よく使うのは「ダイジョーブ」です。OK、心配ないという意味の「大丈夫!」と、気を遣うときの「大丈夫?」という意味があり、いろいろと使えて便利です(笑)。試合中もよく使います。

これからの「なりたい自分」とは?

新しいことへの挑戦がワクワクするタイプ
プレーヤーだけでなく人として成長できるチャンス

これまでB.LEAGUEで3シーズンプレーしましたが、とてもレベルが高く、自分自身のプレー面だけでなく、人としての成長にもつながっています。この環境でゲームができていることがとても光栄で、本当に感謝しています。

今季から大阪エヴェッサの一員としてプレーすることになりますが、私が得意としているのはディフェンス。そして、ペイントアタック(ゴールに向かってドライブすること)とスリーポイントシュートです。この3つの武器をフルに生かすだけでなく、パスも駆使して仲間の長所を引き出すようなチームプレーも積極的にしていきたいと思っています。目標は、まずはチャンピオンシップに進むこと。闘争心を前面に出した、ファンの方に喜んでいただけるようなプレーをお見せできればと思っています。

今、こうして異国の地である日本で、プロバスケットボールプレーヤーとして活動していることにとても充実感を感じています。もともと新しいことに挑戦するのに不安を感じず、逆にワクワクするタイプです。困難もありますが、それを拒否するのではなく受け入れることでバスケットボールプレーヤーとして、そして人として成長できるはず。そうした環境を与えてもらって、感謝しているぐらいです。

いつかは引退して、生活するために別のことをスタートさせなければならないことは分かっています。でも今は、先のことはあまり考えたくありません。とにかく、大阪エヴェッサでチャンピオンシップに進むこと。そのために全力を尽くします。

ユニフォーム姿のレイ・パークスジュニア選手
フィリピンでのお気に入りの料理
日本の観光地もよく巡る。京都・清水寺で
三重・なばなの里でイルミネーションを満喫
フィリピンから持ってきた相棒のバスケットシューズ

※2024年9月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。肩書き・部署名等は取材時のものとなります。