仕事であり、趣味でもある外国語は自分の大切な一部。
仕事と語学学習を両立するための5ルール

仕事であり、趣味でもある外国語は自分の大切な一部。<br>仕事と語学学習を両立するための5ルール

ヒューマングローバルコミュニケーションズ株式会社 
講師スケジュール担当

石田陽子

9歳から高校2年までネイティブに英会話を習い、大学は英文科に進学。卒業後は就職するも、子どもの頃からの夢だった留学を叶えるため、24歳で退職。アメリカに留学し、帰国後は旅行会社の海外支店要員として採用され、シンガポール駐在を経験しました。その後、現地で就職し、シンガポールで5年間暮らした後、帰国前にスペインに3カ月間滞在。このままずっと住みたいと思うほど、スペインが大好きに。帰国後の2002年、これまでの経験を活かせ、多文化の環境で働けることに魅力を感じ、クデイラアンド・アソシエイト株式会社(現:ヒューマングローバルコミュニケーションズ株式会社)にて業務しています。

「なりたい自分」をつくる5ルール

9歳で英語と出合って以来、学生時代、社会人生活と、ずっと海外と接する環境にいた石田陽子さん。英語、中国語(北京語)、韓国語、スペイン語と多くの外国語を学んできました。「外国語が自分の世界を広げてくれた」と語る石田さんには、仕事やプライベートで大切にしている5つのルールがあります。

① 生徒としての目線で

私の担当業務ではお客様とのやりとりが多く、自分の「学習者」としての目線と経験が役に立つのではないかと思っています。私は英語に始まり、現在はスペイン語を学んでいますが、仕事をしながらの勉強は本当に大変です。毎日仕事で忙しい中、レッスンに参加するだけでなく、予習や復習、宿題をこなさなくてはいけません。私が担当しているお客様=研修受講者は、ほとんどが忙しいビジネスパーソンの方々ですので、自分の経験上からも研修受講者の立場や事情をよく理解できます。皆さん優秀な上、語学学習に対するモチベーションも高く、こちらが学ぶことも多々あります。研修受講者と講師をつなぐ役目として、自分の経験も活かしながら、お客様に提供するサービスをさらに向上させたいと考えています。

② 仕事以外に一生懸命になれるものを大切にする

仕事はとても難しいものだと思っています。自分1人の力だけで何かを成し遂げることは難しく、周りの環境などさまざまな要因がありますし、好きなことばかりできるわけではありません。けれども、語学の勉強であれば、時間がかかったとしても必ず上達することができますし、達成感も味わうことができます。仕事とは別の方向へ100%頭を切り替えることで、気分転換にも息抜きにもなると思っています。そして、頭を切り替えることで、また仕事への新たな気づきやアイデアを得ることもあると感じています。私の場合は、今はスペイン語が「仕事以外に一生懸命になれるもの」ですが、仕事とプライベートの双方にプラスの影響を与えてくれていますね。

楽しみながらも学習成果が資格として証明できるのも魅力。今はセミプロと名乗れるようB2レベルを目指して。

③ 時間の使い方を意識する

1日の中で自分が自由に使える時間は限られているので、なるべく意識的に過ごしていきたいと思っています。ボーッとスマホを見ているだけでも、すぐに時間が経ってしまいます。朝、少し早めに起きれば、出勤前に毎日30分~1時間程度は時間が取れます。通勤時間も利用すれば、20分程度は何かできます。学生時代のように、一度にまとまった時間は取れないかもしれませんが、少しずつでもコツコツと長く続けること、そして、それを習慣にすること。その積み重ねが、語学学習では特に大切だと思います。

私の場合は、ずっと夜型の生活でしたが、早寝早起きに改めて、朝の1時間を語学学習に充てています。勉強も机に向かうだけでなく、スペイン語のラジオを聴いたり、ニュース番組を見たりと、生活の中に習慣として取り入れることを心がけています。頭がスッキリしている朝は単語の学習や文章を書く勉強をし、疲れている夜にはヒアリングなど机に向かわずにできる勉強を、と時間帯によって無理なくできることを選んでやるのも、長続きさせるコツだと思います。

④ 過去の自分よりも前進すること

仕事でも他のことでも、すごい人はたくさんいます。もちろん、すごい人を見習ったり、自分もそうなれるよう努力したりすることは大切です。でも、それと同じくらい、自分自身が少しずつでも進歩していること、成長していることが大切だと思います。語学は人それぞれで、すぐに上達する人もいれば、習得までに時間がかかる人もいます。私はどちらかと言えば後者のタイプ。以前に比べて単語もなかなか覚えられなくなってきましたし、スペイン語の動詞の活用の多さや文法の複雑さに何度も勉強をやめようと思いました。でも、やめなかったからこそ、上達していることを実感できましたし、スペイン語を通じていろいろな経験をすることができたと感じています。1つの言語がわかると、違う世界が広がり、違う自分を発見できます。外国語の習得は大変ですが、それだけ得るものも大きいと思います。

⑤ 自分のため、そして誰かのためになること

大好きなスペインをもっと知り、友人や現地の人たちともっと話したい。スペイン語は100%「自分のため」に勉強してきました。けれども最近、スペイン語で何かできるかもしれない、私のスペイン語が誰かの助けになるかもしれないと思い始めました。例えば、趣味で参加したワイン会にスペイン人のワイナリー関係者が出席されていて、英語の通訳者が同席されていたのですが、私がスペイン語で話しかけたところ、母国語で思う存分話ができてよかったと、とても喜ばれました。自分のためにしていることが、結果として誰かの役に立つのであれば、こんなに嬉しいことはありません。

今後の展望

今はまずスペイン語のレベルを上げることと、それを証明する資格の取得を考えています。今後、例えばボランティアなどに応募する際に、資格があった方が便利だからです、今、目指しているのはスペイン語を業務で使えると見なされているDELEスペイン語検定B2レベル(中上級)です。趣味からセミプロ級と名乗れるようになりたいです。

また、語学学習と同じくらいに大切だと思っているのが、自国について知ること。スペイン語圏の人たちと接する中で、彼らが場合によっては私以上に日本の文化や歴史に詳しいことに驚きました。日本人として海外の人たちと接するのであれば、自国に対する知識は必要な教養の1つであると考えています。そして常に頭にあることは、自分の世界を広げようと試みること。それがあったからこそ、今まで語学の勉強を続けてこられたのかもしれません。

※2022年11月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。肩書き・役職等は取材時のものとなります。
※2024年3月1日に、ヒューマングローバルコミュニケーションズ株式会社はヒューマンアカデミー株式会社を存続会社とし合併いたしました。