ヒューマングループの最年少社長が、自身の人材価値を高め、
スピード経営を実現するために実践する5ルール

ヒューマングループの最年少社長が、自身の人材価値を高め、<br>スピード経営を実現するために実践する5ルール

ヒューマングローバルタレント株式会社 
代表取締役社長

横川友樹

早稲田大学スポーツ科学部でプロスポーツクラブ経営を専攻していた大学3年時、プロバスケットボールチーム「大阪エヴェッサ」を運営するヒューマンプランニングでインターンを体験。2007年4月、ヒューマンプランニングに新卒入社。大阪エヴェッサのグッズ制作、営業などに携わるが、1年ほどで退職。株式会社ベイカレント・コンサルティングにてビジネスプロデューサー職を担当後、2010年1月よりヒューマングローバルタレント株式会社にて勤務。メディア営業部、事業推進室、人材紹介部にて営業・マーケティング業務を経て、2020年より現職。

「なりたい自分」をつくる5ルール

ヒューマングローバルタレント株式会社の横川友樹代表取締役社長は、現在38歳。ヒューマングループ法人で最も若い社長です。2年前、36歳という若さで社長に就く決断ができた理由と、日々のルーティンや仕事を行う上での心がけとして大切にしている自分なりのルール5つを挙げてもらいました。

① シミュレーションを繰り返す

毎日ルーティンとして行っているのが、家を出る前に「今日やること」を決め、スケジュールを頭に入れること。その後、週間スケジュールを確認します。そして通勤時間の30分で、今日やることについて、頭の中でそのプロセスを全部シミュレーションします。「このミーティングではこんな話をして、こう帰結させよう」という具合に、業務ごとのシナリオを作るのです。うまくシナリオが描けないことにも意味があり、必要な情報が足りないか、その場で判断が必要なことだと見極めがつきます。これを毎日やっていると、スケジュールを見ると勝手に頭が動くようになります。そして、業務がスムーズに進むのはもちろん、バリエーションが出てきて、困った事態に遭遇することも減ります。

② 合間時間を活用する

時間を有効活用するために、メールや電話などは、合間時間に済ませます。スマホにグーグル関連等のソフトを入れてあり、歩きながらチェックすることもよくあります。席に座ってパソコンの前でじっとしているよりも、すき間時間にスマホでバババッとやったほうが、仕事がはかどります。会議の合間や移動中、また休憩など場所を変えればリフレッシュするので、その間にすぐに対応できることは済ませてしまうようにしています。

時間を有効に使うために活用しているスマートフォンは業務系アプリでいっぱい。

③ 会議では「決めること」をやる

採用も定着も、顕在化したリスクへの対応も、もちろん売上も、最終的にはすべて私の責任です。ですから、担当者ベースの判断は尊重するものの、決めきれない事柄が出てきたら、私が決めます。会議では「次回の会議まで検討する」「月末までに判断する」など、何ら理由が明確でない期日設定がなされることもありますが、決断を後回しにしていては結局何も進みません。ならば、もし間違っていたとしても決めて次に進もうと考えます。

会議などいろんな場で私が「決めること」を徹底してきたおかげで、社員から判断に迷うことや困ったことを発信してもらえるようになり、お互いにハッピーな結果になっています。

④「腑に落ちる理由」を自身で考える

物事に対して自分の考えを整理して、自分の言葉で答えを見つけることが大事だと考えています。これは、市場の動向や、競合他社や自社が抱える課題といった大きな事柄から、自分自身の人生の選択といった個人的な事柄まで、あらゆる物事について言えることです。自分が納得でき、腑に落ちる理由を自分で考えることによって、不安材料が払拭され、自身の改善やメンタル向上に生かせます。

例えば、私はコロナが流行り出した2020年に社長就任の話をいただいたとき、大きなチャンスだと感じました。もちろん不安はありましたが、次のように「腑に落ちる理由」を考えました。36歳で上場企業の子会社の社長をできる経験は、労働市場の中でものすごく希少価値の高い経験であり、50~60代で社長になることと、30代で経験することは、価値がまったく違うだろう、と。どの仕事でも同じだと思いますが、より難しい業務に対応できること×時間軸によって人材市場における希少性が上がり、需要も高まります。大きなチャレンジができるチャンスであり、自分の人材価値も高まる。ならば挑戦してみよう――と、社長に就く決断ができたのです。

⑤課題があっても、自身の成長と捉える

「なぜ課題を解決できないのか」という悩みを抱えていた時期に、「課題を解決できないのは、自身が対応策を持っていないからだ」と考えることにしました。対応策を見出すことができれば、新たな知見が得られ、次に同様の課題に直面したときには解決できる。そう考えると、課題に直面したときこそ、成長のチャンスだと捉えることができます。

頑張っている人ほど、年に3回程はしんどい時期があります。しんどいときこそ、一歩前へ出る。次のアクションを起こす。その積み重ねが自分を強くすること、人生を豊かにすることにつながると思っています。プライベートや仕事を問わず、みんな同じようなポイントで行き詰まります。そこを差別化できるチャンスと捉え、自分なりに考え、行動し、課題を克服する。そしてその経験を発信することで他者から興味を持たれ、「この人は何か違うな」という印象を与えることができます。これを社会では「個性のある人」とか「できる人」と呼ばれ、重宝がられるのだと思うのです。

今後の展望

企業規模を大きくする、社内メンバーや家族を幸せにするなど、実現したい目標はたくさんありますが、「なりたい自分」としては、もっと直観を信じられるようになりたいです。直観にも背景があり、過去の自分の顕在化していない記憶や体験が、直観という形でアウトプットされるのだと思います。直観を磨くには、幅広い事柄に興味を持つこと、情報を鵜呑みにせず自分なりに考えることが大事だと考えています。

※2022年9月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。肩書き・役職等は取材時のものとなります。