「多様な文化を吸収しながら自己成長したい」という思いを、日本で叶えることができた。<br>大好きな異文化交流で、日本語を学ぶ留学生に貢献したい
My Life

「多様な文化を吸収しながら自己成長したい」という思いを、日本で叶えることができた。
大好きな異文化交流で、日本語を学ぶ留学生に貢献したい

ヒューマンアカデミー日本語学校大阪校
第二校舎 校舎責任者

黄 許裕(オウ・キョユウ)さん

中国・広東省出身。幼い頃からテレビで放映されていた日本のアニメを見て育ち、日本という国に親しみを抱く。高校卒業後の2015年3月に来日。日本語学校で日本語を学び、翌年4月に大学へ進学。大学では異文化コミュニケーションを専攻。3年次には海外研修プログラムの校内推薦枠に選出され、学校から支援を受け米ロサンゼルスの企業で約2ヶ月間インターンを経験する。2020年3月に大学を卒業し、4月にヒューマンアカデミー株式会社に新卒入社。ヒューマンアカデミー日本語学校大阪校に配属され、主に学生対応や在籍管理、ビザ更新などの業務に携わっている。

「なりたい自分像」と日本

異文化コミュニケーションを学び、実践する場として日本を選んだ。
留学生のサポートを通して異文化交流と人の役に立てる仕事ができることが嬉しい

幼い頃からテレビで見てきた日本のアニメが、私の中に異文化への憧れを育んでくれました。春には風に舞う桜の花びら、夏には夜空を彩る花火大会、秋には鮮やかに色づく紅葉、冬には一面の銀世界……。四季を通じて異なる美しさを見せる日本の風景は、一年中温暖な気候の中国南部・亜熱帯地域で育った私にとって、計り知れない魅力がありました。

また、さまざまな国の人と交流する中で、国の環境が、その人の思考や行動様式に大きく影響を与えていることに気づきました。例えば、時間感覚やパーソナルスペース(他人に侵入されると不快に感じる空間や心理的距離)など、国や文化の違いによって人々の価値観や行動が異なることに深い興味を抱き、日本の大学でもこのテーマについて研究を深めました。そこで、多文化の環境で働き、さまざまな文化を吸収しながら自身を成長させたいと考えるようになりました。

就職活動では、家族に教育関係者が多かったこともあり、教育業界を志望。日本で、さまざまな国の人が集まる日本語教育の現場で働きたいと考えました。ヒューマンアカデミーを選んだ理由は、「為世為人」というヒューマングループの理念に共感したからです。「人や社会の役に立つ仕事をしたい」という思いは、私の就職の軸でもありました。

入社後は、ヒューマンアカデミー日本語学校大阪校で在校生の在籍管理やビザ更新業務を担当しており、入学時のオリエンテーションから進学・就職に関する進路相談、ビザ更新のフォローまで、一人ひとりの学生が安心して留学生活を送れるようサポートしています。私自身も、かつては日本語学校に通う留学生でしたので、不安になる気持ちやわかりづらい点も理解でき、寄り添うことができます。留学生のサポートを通して日本語教育や海外人材の育成に貢献できる現在の仕事に、大きなやりがいと誇りを感じています。

日々さまざまな国の留学生と接することは、私に多くの学びと楽しみも与えてくれます。留学生との会話を通して、まだ行ったことのない国を感じてイメージを膨らませられたり、お互いの文化的背景の違いを知ることができたりします。こうした実地の異文化コミュニケーションを重ねることでアンコンシャスバイアスをなくし、国や文化の枠を超えて円滑なコミュニケーションができるようになりたいと考えています。

実際に日本の企業で働くということ

日本の企業は、チームワークと助け合い精神を大切にする。
仕事と家庭の両立を支援する制度も整っており、安心して働き続けられる

私は大学時代に約2ヶ月間、ロサンゼルスの企業でインターンとして働く貴重な経験を得ました。アメリカでは自分の仕事が終わればすぐ帰りますが、日本は助け合いの精神があり、チームワークを大切にし、自分の業務が終わっても他の人の仕事を手伝ったりすることもあります。これはどちらがいい・悪いということではなく、国によって働くスタイルも違うということです。

実際に暮らし、働く環境として考えると、日本の素晴らしい点は2つあります。まず、インフラが充実しており、安心して生活しながら働ける環境が整っていること。コンビニは単なる小売店だけではなく、ATMや宅配サービス、公共料金の支払いなどもでき、旅行先で何か忘れたとしてもすぐに買えるという安心感は、日本ならではです。2つめは、日本の企業は休暇や手当などの福利厚生が充実していること。仕事と家庭の両立を支援するための制度も整っており、ライフステージが変わっても仕事を続けられる環境があるので、私自身も働き続けたいと考えています。

これからの「なりたい自分」とは?

学ぶことへの情熱を大切にし、多様な文化にふれながら
新たな経験を積み重ねることで自らをもっと成長させていきたい

語学を学ぶことは、私の趣味の一つでもあります。特に海外旅行の前には、その国の言葉を学び、現地で実際に使ってみることを楽しみにしています。現地の人と直接、コミュニケーションを取れたときの達成感は格別で、その国の文化をより深く味わい、体験できると実感します。

中国には「言葉は両刃の剣である」ということわざがあります。たったひと言が誰かにとってかけがえのない宝物になり、一生の支えになることもあれば、何気ない一言が相手の心に深い傷を残してしまうこともある。そのため、単に語学力を身につけ、さまざまな国の人とコミュニケーションを取るだけでなく、お互いの文化的背景も理解し、誤解のない交流ができることをめざしています。

これからの人生においても、学ぶことへの情熱を大切にし、限られた時間の中で無限の可能性を広げていきたいと考えています。もっと遠くへ足を運び、多様な景色や文化にふれながら、新たな経験を積み重ねることで自らを成長させ、さらにその先へ進む力へと変えていきたいです。

将来的には、自分の母語である広東語を活かせるような仕事にも挑戦したいと考えています。中国語の話者は世界に13億人以上いますが、広東語の母語話者は年々減少しており、現在は約3000万人と言われています。ですから、広東語の文化を守るために何か貢献できることがあれば、力を尽くしたいと思っています。

中国でも日本でも気分転換をするときは登山と旅行
好きな母国の料理は広東料理の代表、飲茶(ヤムチャ)!
好きな日本食は海鮮料理
大学時代にした日本文化体験
ペンギンが大好きで、集めている推しグッズ

※2025年3月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。肩書き・部署名等は取材時のものとなります。