今月のトピックス
今月は、2019年10月までの建設技術者の雇用動向に関するデータをまとめました。
■建設技術者の有効求人倍率はすべての月で前年同月を上回る
2019年1月~10月までの公共職業安定所(ハローワーク)における建設技術者の有効求人倍率の推移を前年と比較して見ると、直近の10月は前年同月より0.53ポイント高い7.03倍となるなど、すべての月で前年同月を上回っており、建設技術者を採用することが前年以上に困難な状況が続いています(図表①)。有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率は10月において前年同月比で0.86ポイント高い9.95倍となっており、2019年平均の有効求人倍率は過去最高を記録した2018年の6.18倍を超える可能性が高いと考えられます。
【図表①建設技術者の有効求人倍率の推移】
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」から作成
■有効求人数が増加するも有効求職者数は減少、人材需給ギャップの拡大に拍車がかかる
次に、建設技術者の有効求人数と有効求職者数の対前年増減率の推移を見ると、直近の10月では有効求人数は1.9%増加しているものの、有効求職者数は5.6%減少するなど、すべての月で有効求人数は前年を上回り、有効求職者数は前年を下回っています(図表②)。
好調に推移する建設投資を背景に人材需要が増加するなか、建設技術者として働きたい求職者が減少することにより人材の需給ギャップの拡大に拍車がかかっている状況であり、新規求職者の掘り起こしが大きな課題になりそうです。
【図表②建設技術者の有効求人数・有効求職者数の対前年増減率の推移】
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」から作成
建設業界の最新雇用関連データ(2019年11月29日総務省・厚生労働省公表)
(1)建設業の就業者数・雇用者数・新規求人数
◆建設業の就業者数は494万人(前年同月比99.4%)と5カ月連続で減少した。
出典:総務省「労働力調査」より作成
◆公共職業安定所(以下:ハローワーク)における新規求人数は77,093人(前年同月比102.9%)と2カ月連続で増加。
<建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く)>出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成
(2)建設技術職の雇用動向
◆ハローワークにおける建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月比0.53ポイント上昇して7.03倍となった。有効求人倍率は53カ月連続で前年同月を上回っており、厳しい人手不足の状況は長期化している。
<ハローワークにおける建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)>
<ハローワークにおける建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の対前年同月比(常用・除くパート)>
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成
(3)建設技能工の雇用動向
◆ハローワークにおける建設・採掘の職業(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月比0.55ポイント上昇して5.92倍となった。54カ月連続で前年同月を上回っており、建設技能工についても厳しい人手不足の状況が長期化している。
<公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)>
<公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート)>
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成
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ヒューマンタッチ総研 Monthly Report (2019年12月)
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