建設業界の転職支援と人材育成のヒューマンタッチ 6月まとめ
ヒューマンホールディングス株式会社の事業子会社で、人材紹介事業を行うヒューマンタッチ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:髙本和幸、以下「ヒューマンタッチ」)が運営するヒューマンタッチ総研は、最新の人材市場に関する公的データをまとめた 『ヒューマンタッチ総研~Monthly Report 2019年6月』 を発表しました。建設業に特化した人材関連の様々な情報、最新の雇用関連データもまとめています。
今月のトピックス
5月22日に公表された厚生労働省「雇用動向調査」の2017年の結果から、建設業の入職・離職の動向についてご紹介します。
■建設業では6年連続で入職者が離職者を上回る
建設業における2017年の入職率(常用労働者数に対する入職者数の割合)は9.0%、離職率(常用労働者数に対する離職者数の割合)は8.4%であり、入職超過率(入職率から離職率を引いた数値)は0.6%となりました。
入職超過率は2000年から2011年までは、建設投資の大幅な減少を背景にマイナスで推移し、離職者が入職者を上回る状況が続きました。しかし、2012年以降は建設投資の回復を背景に6年連続で入職超過率はプラスに転じ、入職者が離職者を上回る状況が続いています(図表①)。
【図表① 建設業の入職率・離職率・入職超過率の推移】
■離職理由別、定年が高く
次に、離職者について、離職理由別の割合を見ると、建設業は「定年」の割合が16.0%で、全産業平均の7.0%や製造業の8.9%と比較して際立って高くなっています(図表②)。
2018年の労働力調査の結果によると、建設業就業者では55歳以上の割合が34.8%と高くなっており(製造業は25.5%)、今後、必要な人材数を確保するためにはシニア層の一層の活用がキーポイントになると考えられます。
【図表② 建設業の離職理由別離職者の割合】
出典:図表①②ともに厚生労働省「雇用動向調査」より作成
建設業界の最新雇用関連データ(2019年5月31日総務省・厚生労働省公表)
(1)建設業の就業者数・雇用者数・新規求人数
◆就業者数は503万人(前年同月比99.8%)と減少した。
出典:総務省「労働力調査」より作成
◆公共職業安定所(ハローワーク)における新規求人数は74,997人(前年同月比105.8%)と増加に転じた。
<建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く)>
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成
(2)建設技術職の雇用動向
◆ハローワークにおける建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は前年同月比0.44ポイント上昇して5.91倍となり、47カ月連続で前年同月を上回った。専門的・技術的職業の中で最も高い倍率となっている。
<ハローワークにおける建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)>
<ハローワークにおける建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の対前年同月比(常用・除くパート)>
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成
(3)建設技能工の雇用動向
◆ハローワークにおける建設・採掘の職業(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月比0.63ポイント上昇して5.21倍となった。48カ月連続で前年同月を上回っており、建設技能工についても厳しい人手不足の状況が長期化している。
<公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)>
<公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート)>
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成