ヒューマンアカデミー株式会社
社会人教育事業部 戦略室 商品課
築山 雄人
1998年長野県生まれ。酪農など動物に関わる仕事がしたいと大学では農学を専攻。教職課程を履修する中、教育への関心が高まり、2020年、ヒューマンアカデミー株式会社に新卒入社。資格取得・就転職の総合校 ヒューマンアカデミー名古屋校に配属となり、IT系の講座担当としてカウンセリング営業や受講生の学習・進路サポートを行う。2024年に同事業部商品課へ異動となり、現在はIT関連講座の開発を担当。プライベートでは、2022年にトレイルランニングを開始。2023年、100キロレースで年代別3位に入賞。2024年、100マイルレースに初出場ながら、約33時間で完走。2025年5月にも100マイルレース「TOKYO GRAND TRAIL」に出場。自己最長である約42時間をかけて完走した。「30歳までに100マイルレースを10本完走する」という目標を掲げ、トレイルランニングチームに所属し、週末や仕事終わりにトレーニングを積んでいる。

SELFingシート
「なりたい自分」を明確にし、実現するために必要な事項を可視化するSELFingのサポートツール。中心に人生目標や「なりたい自分」の姿を書き、実現するために必要な要素を周囲の8マスに、人生を構成する8大分野「健康」「仕事」「経済」「家庭」「社会」「人格」「学習」「遊び」に分けて書きこむフレームワーク。自らデザインする人生の“設計図”としてヒューマングループ各社で導入されている。
なりたい自分像とは?
限界まで追い込むことで、自己理解を深めていく。
探求し続けることが楽しい
「SELFingシート」を書くことで、自分の指針の根源にあるのは、知的探究心だと再認識しました。私にとって自己理解を深めることも知的探究。それに一役かっているのが、入社2年目の2022年から始めたトレイルランニングです。
きっかけは、コロナ禍で外出もままならない中、自然に触れたいと出かけた登山でした。山でのひとり時間が楽しく、連なる山から山へと移動するようになり、自分の足でできるだけ遠くまで行きたいと思うようになり、気がついたら、山道を走っていました(笑)。
その半年後には、40kmほどのレースに初参加。それ以来、さまざまなレースに出場し、2024年、2025年には、憧れの舞台である100マイル(約160km)レースにも出場しました。このレースは、2昼夜ほぼ休憩なしで、雨が降っても走り続けます。夜の山道はヘッドライトだけが頼りです。体調や天候の変化、不測の事態を想定して、入念に準備をして臨みましたが、途中、幻聴が聞こえたり、体が限界に達して立ち止まってしまっているのに頭では走り続けていると錯覚したり、極限状態も経験しました。それでも、ゴールすると、選手同士「おかえり」「おめでとう」と讃え合うんです。長時間の過酷な状況を乗り越えた者同士、リスペクトし合うところが、トレイルランニングの魅力の一つでもあります。
レースで極限状態を経験して限界を突破したからといって、生活が劇的に変わるわけではありません。ただ、自分の限界値を知ることで、許容範囲がわかるようになりました。仕事でも、アクセル全開でいくか、ペースを整えるのかという判断ができるようになり、それは、自信と安心感になっています。また、レース中は、追い込まれて無意識に弱音を吐くなど、普段の生活では見られない自分が顔を出します。「この状況で、こんな反応をするんだ」と新たな自分に出会うことこそが、トレイルランニングの面白さだと感じています。自分の限界をどこまで広げていけるのか、また、そこで出会う未知の自分とはどういうものかを見てみたい思いが、山道を走る原動力になっていますし、その探求こそが、挑戦と成長を楽しみながら歩み続ける「なりたい自分」につながっています。
なりたい自分になる「仕事」の位置付け
お客様の“なりたい自分”を叶えるために
できることを考える日々が、自身の視野も広げる
「気づき」が多いほど人生は豊かになると思っています。「気づき」は、自分を理解し、新しい可能性を見つけるきっかけとなります。私にとっては、小さい頃からの読書と仕事やトレイルランニングが多くの「気づき」を与えてくれました。
大学時代、教職課程を履修しました。教育実習や地域イベントに参加するなか、子どもたちが「はっ」と気づく瞬間に立ち会えることがあり、それはとても幸せで興味深い体験となりました。多くの人に「気づき」を与えられる仕事をしたい、「気づき」の機会を広めていきたいと、教育業界をめざし、ヒューマンアカデミーに入社しました。
入社以来、お客様の「なりたい自分」を実現するために何ができるかを考え続けています。カウンセリング営業や進路サポートを行う中で、年上の受講生の方と向き合い、様々なキャリアの選択肢から多くの示唆を得ました。また、若い自分でも信頼と安心を感じてもらえるよう、キャリアに関する本を読み漁りました。2024年に商品課に異動し、商品開発を担当するようになり、新たにできることが増え、まだまだ成長できると感じています。手がける講座で、お客様が理想とするキャリア・生き方をどう実現し、社会で求められる人材をどう形作っていけるかに頭を悩ませているところです。このような経験が、視野を広げ、自分のキャリアを見直すきっかけとなり、成長を客観視するための物差しとなっています。
これからの「なりたい自分」とは?
挑戦し続ける先で
形作られる新しい自分と出会いたい
現在27歳の自分にとって、40歳を具体的にイメージするのは難しいです。ひとつ言えるのは、「常に考え、探求し続ける人でありたい」ということです。探求し続けた先に形作られていく自分はどうなるかということに興味があり、その形がどんなものであれ受け入れていこうと思っています。
以前は、具体的に目標を決め、それに向かって努力するタイプでした。ただ、目標だけにフォーカスしすぎて、なぜそうなりたいかを見失うことが多々ありました。トレイルランニングのレースでは、事前に入念な準備をし、計画を立てて臨んでも、その通りに走り切れるとは限りません。状況に合わせ、自分のコンディションと向き合い、常に考え続けることが大切です。そのような経験が影響し、考え方が変わったのだと思います。
私にとって仕事とトレイルランニングは、役割が違います。仕事は多くの人に影響を与えることができ、生活を豊かにしてくれるもの。一方、トレイルランニングは、自分を見つめ直す場所であり、自分自身を豊かにしてくれるものです。ただ、どちらも多くの「気づき」を与えてくれる場所であることは共通しています。この先、多くの人に「気づき」と新しい可能性を与えられる人になるため、この二つの場所で、挑戦と成長を続けていきたいです。
※2025年8月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。肩書き・部署名等は取材時のものとなります。