ヒューマンリソシア

世界のITエンジニア給与、上昇トレンドが鮮明に、日本はUSドル換算で31位とG7最下位

賃上げにより増加傾向も、ドルベースでは世界主要国との差はなお大きい

総合人材サービス会社のヒューマンリソシア株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:高橋 哲雄、以下「当社」)はこのたび、世界のITエンジニアの給与動向を俯瞰的に把握することを目的に、世界70カ国について独自に調査し、「2025年度版:データで見る世界のITエンジニアレポートvol.18」として発表しました。

世界70カ国のITエンジニア給与をUSドルベースで集計し、分析した結果、1位はスイス、2位は米国と、上位国は前回調査(※1)からの変動はなく、また7割超の国で給与は上昇、成長著しい国々が大きく給与を伸ばすなど、世界的に上昇トレンドとなっています。なお日本は、前回と順位は変わらず31位でG7最下位と、国内では賃上げにより増加傾向も、USドル換算の国際比較では主要国との差がなお大きい実態が明らかとなりました。

※1)2025/02/20当社発表 「USドルベースでの世界のITエンジニア給与、ヨーロッパ各国で上昇、日本は31位に順位を落とし現地通貨ベースでもG7で唯一減少、グローバル人材獲得競争で後れをとる懸念

【本調査結果のポイント】

1.世界のITエンジニアの給与、1位スイス、2位米国、日本は31位でG7最下位

  • 1位スイス、2位米国、年収10万ドル前後と高水準を維持
  • 日本の平均年収は29,813ドルで、米国の約3分の1の水準となり、G7各国の中で最も低い

2.7割超で給与は上昇、日本は5.3%増えるが伸び率では16位にとどまる

  • 対前年での増加率、パナマ(39.6%増)、ルーマニア(29.6%増)など成長著しい国々が上位に
  • 日本は5.3%増、世界の給与上昇トレンドと比較し、給与アップの勢いは限定的

3.IT分野の給与面での優位性、日本はG7最下位と、IT職種の魅力低迷が懸念

  • 全産業に対するIT関連産業給与の割合、米国(182.5%)やインド(220.3%)が突出して高い、日本は128.9%に留まり、G7で最も低い水準
  • 国内労働市場におけるIT職種の優位性が確保できず、人材の確保や流出に懸念

・本調査では、世界各国の給与データを提供しているPayscaleより取得した「Software Engineer」 の年収をもとに分析しています。なお、日本は厚生労働省「賃金構造基本統計調査」のデータを使用しています。出典元の詳細は、本レポート最後に添付している別紙をご確認ください。

 

<本調査結果のレポートにつきまして>

本調査結果の全編は、以下にてダウンロード資料として提供しています。
●資料ダウンロードページ URL: https://corporate.resocia.jp/dl/itreport_18

< 調査結果の概要 >

世界各国のITエンジニア給与、1位スイス、2位米国、日本は31位

世界各国のITエンジニア(Software Engineer)の給与をUSドルベースで比較したところ、1位はスイス、2位は米国、3位はデンマークとなり、上位3カ国は前回調査と同じ順位となりました。その他先進7カ国(G7)からはドイツが5位に入り、上位10カ国中8カ国をヨーロッパが占めています。

日本は70カ国中31位で、前回調査と順位は変わらず、平均年収は29,813ドルでした。USドルでの日本の給与水準は、2位米国の3分の1以下と、G7で最も低い水準であり、対ドル為替レートの影響はあるものの、相対的な日本の給与の低さが際立ちます。

図表1_世界のITエンジニア給与ランキング

世界各国のITエンジニア給与は成長著しい国々を中心に大幅増、日本は5.3%増

続いて、USドルベースでのITエンジニア平均年収を前年データと比較したところ、増減率1位はパナマで、39.6%増となりました。続いて2位はルーマニアで29.6%増、3位はロシアで18.2%増でした。トップ10には、中南米からパナマ、ペルーの2カ国、東欧から2カ国、そして10位にはITエンジニア数の伸びが著しいインドが入るなど、調査対象の7割強の国で給与が上昇しています。なお給与アップの背景には、オフショアやAI開発拠点のシフトが進んでいる影響も考えられます。
日本は前年比5.3%増で、比較可能な前年データが取得できた60カ国中、16位に入りました。なお、G7各国の伸び率をみると、イタリア6.3%増、英国5.2%増、ドイツ4.9%増、フランス3.7%増、米国2.8%増と、日本を含めて6カ国が前年より上がっています。なお、カナダはUSドルベースでは前年比で11.9%減、中国も4.7%の減少となりました。

図表2_3_世界各国のITエンジニア給与 伸び率

現地通貨ベースでのITエンジニア給与、日本は5年間で14.3%増と増加傾向

なお、USドルベースでの比較では為替レートの影響を受けるため、現地通貨ベースで主要国の5年間(2021年から2025年)の増減率を算出し比較したところ、日本は14.3%増で、米国(10.9%増)やドイツ(10.1%増)など主要各国と比較し、伸び率が高い結果となりました。このことから、USドルベースでは、主要国と比較し相対的に日本の給与は低いものの、国内では賃上げの影響などにより給与が上昇していることがわかります。なおインドは5カ年で4割以上の増加と、給与が大幅にアップしています。

図表4_現地通貨でのITエンジニア給与 5カ年での伸び率

情報通信業給与の優位性、日本は主要国と比較し限定的

IT分野の給与の優位性を図るため、全産業平均給与に対する情報通信業給与の割合を算出したところ、日本は128.9%となりました。日本国内において、情報通信業で働く人の平均年収は、全産業平均より約3割高いことになります。一方で、主要各国をみると、米国は182.5%、英国は154.0%、ドイツ146.7%と、情報通信業の給与面での優位性が高い結果となりました。なお、インドは220.3%、中国は189.9%と、ITエンジニアを含むIT産業は、給与面で、他産業より明確に高く評価されていると推察されます。

図表5_全産業平均給与に対する情報通信業給与の割合

 

(図表1)Payscale のサイトにて「Software Engineer」 の年収を取得し、US ドルに換算しています。日本は厚生労働省「賃金構造基本統計調査」のデータを使用しており、2025年については、1月から10月の月別給与をもとに年間平均給与を推計しています。
(図表2、3)最新データ年と比較可能な連続した前年のデータが取得できた60カ国を対象に集計しています。
(図表5)国際労働機関(ILO)のデータを基に、情報通信業就業者の給与と全産業平均給与を比較しています。

●調査結果の考察: ITエンジニア給与、日本国内では上昇傾向も、国際的には依然見劣り

本調査により、日本のITエンジニア給与は、国内では上昇傾向であるものの、USドルベースでの国際比較ではG7最下位で、他産業と比較した給与の「優位性」においても、主要国の中で最も低い水準にあることが明らかとなりました。このことは、日本企業が「グローバル市場」と「国内労働市場」の双方において、人材獲得競争で不利な立場に置かれていることを示唆しています。海外からの高度人材獲得を困難にするだけでなく、IT職種の「なり手不足」や、優秀な人材が他産業や海外への流出が懸念されます。

デジタル化が企業の存続を左右する今、持続的な成長を実現するためには、賃上げによるIT職種のより一層の待遇改善が不可欠であると考えられます。また高度なIT開発ニーズの高まりに対応するべく、海外人材活用を推進するにあたっては、日本の文化や安全性など、給与以外での「日本の魅力」を発信し、海外の多様な人材を受け入れるための環境整備への取り組みが、日本の企業や地域に求められると考えます。

<ヒューマンリソシア 海外ITエンジニア派遣 「Global IT Talentサービス」 について>

世界60を超える国・地域から、1,500名超のエンジニアを採用し、国内企業に派遣しています。グループに国内最大級の日本語学校を持ち、短期間で、会話を中心とした日本語力を育成できることが強み。WEB開発やデータ分析・AIなどのIT領域に加え、BIM/CIM領域のエンジニアも多く活躍しています。多様な価値観を持つ多様な人材が、日本で活躍する機会の創出にも寄与しています。
●サービスサイトURL: https://git.resocia.jp

ヒューマンリソシアについて

総合人材サービス会社として、人材派遣、人材紹介、業務受託、DXソリューション事業を全国27拠点で展開しています。1988年創業以来、教育事業をバックボーンに多彩なサービスを展開するグループの総合力を活かし、「人材」に関する幅広いサービスを提供しています。
●ヒューマンリソシアWebサイト: https://resocia.jp

<ヒューマングループについて>

ヒューマングループは、教育事業を中核に、人材、介護、保育、IT、美容、スポーツと多岐にわたる事業を展開し、2025年4月に創業40周年を迎えました。1985年の創業以来「為世為人(いせいいじん)」を経営理念に掲げ、各事業の強みを生かし、連携しながらシナジーを最大限に発揮する独自のビジネスモデルにより、国内340拠点以上、海外4カ国5法人のネットワークでお客様に質の高いサービスを提供しています。
●ヒューマンホールディングスWebサイト: https://www.athuman.com/

会社概要
ヒューマンリソシア株式会社
  • 代表取締役: 高橋 哲雄
  • 所在地: 東京都新宿区西新宿7-5-25 西新宿プライムスクエア1階
  • 資本金: 1億円
  • URL: https://resocia.jp

調査に関する出典/備考

1)ITエンジニア給与について
・企業の給与などに関する情報を収集・提供している「Payscale」にて検索した「Software Engineer」の給与データ(検索日:2025年10月22日)をもとに、2025年1月から9月の平均為替レートでUSドル換算し、平均年収を算出しています。なお為替レートは、国際通貨基金(IMF)の統計データを使用しています。
・日本は厚生労働省「賃金構造基本統計調査」のデータを使用しています。また2024年までは実績値、2025年については1月~10月までの月間給与をもとに、平均年収を推計しています。

2) 情報通信業就業者の給与について
・国際労働機関(ILO)のデータを使用しています。
・中国は、中国統計年鑑のデータを使用しています。
・日本の情報通信業就業者の給与は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」のデータを使用しています。

3) 調査対象とした国・地域 (略称、順不同)
・ITエンジニアの給与については、以下の70カ国のデータを取得し、調査しています。
アジア・太平洋(13カ国): 日本、インド、中国、インドネシア、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、タイ、マレーシア、ネパール、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド
北米・中南米(7カ国): 米国、ブラジル、メキシコ、カナダ、ペルー、エクアドル、パナマ
ヨーロッパ(28カ国):ドイツ、英国、フランス、オランダ、ベルギー、オーストリア、スイス、アイルランド、ルクセンブルク、イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、スロベニア、キプロス、マルタ、ロシア、ポーランド、ルーマニア、チェコ、ハンガリー、ベラルーシ、ブルガリア、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、エストニア
中東(8カ国):サウジアラビア、ヨルダン、アラブ首長国連邦、イスラエル、オマーン、クウェート、カタール、バーレーン
アフリカ(14カ国): ナイジェリア、エチオピア、エジプト、南アフリカ、ケニア、モロッコ、ガーナ、カメルーン、ザンビア、ジンバブエ、チュニジア、ナミビア、ボツワナ、モーリシャス

4) その他
・増減率は、小数点第2位以下を四捨五入して算出しています。


■本件に関するお問い合わせ■

ヒューマンリソシア株式会社 広報担当 吉田
E-mail: resocia-pr@athuman.com

■ヒューマングループに関するお問い合わせ■

ヒューマングループ 広報担当 若林
E-mail: kouhou@athuman.com