新型コロナウイルス感染拡大に伴い、テレワークの導入が様々な企業で推進されています。今回は、ヒューマンタッチ株式会社に登録している建設技術者を対象に4月に実施した「新型コロナウイルスの感染拡大に関する転職活動意識調査」から、建設技術者の職場におけるテレワークの導入状況についてレポートします。
【本件のポイント】 ・建設技術者の職場では36.7%でテレワークを導入済み ・「従業員規模100人未満」の企業では導入率20.8%、小規模企業でのテレワーク導入が遅れている ・設計職の導入率は43.2%に対し、施工管理職は27.5%と職種でも差 |
■建設技術者の職場では36.7%でテレワークを導入済み
「新型コロナウイルスの感染拡大への対応策として、あなたの就業している職場では、テレワークによる在宅勤務が導入されているか?」という質問に対して「すでに導入されている」と回答した人の比率は36.7%でした(図表①)。「今後導入される予定である」の20.8%を加えると、57.5%の職場においてテレワークの導入が進められていることになります。一方、「導入される予定がない」も4割以上を占めました。
■「従業員規模100人未満」の企業では導入率20.8%、小規模企業でのテレワーク導入が遅れている
調査対象者が働いている企業規模別にみると、従業員数100人未満の企業では「すでに導入されている」が20.8%にとどまる一方、「導入される予定は今のところない」が60.4%に達しており、小規模な企業においては建設技術者のテレワークが進まない状況であると言えそうです(図表②)。
一方、従業員数500人~999人では「すでに導入されている」が58.1%、従業員数1000人~2,999人では同42.1%、従業員数3,000人以上では同57.6%となっており、規模の大きい企業では建設技術職におけるテレワーク導入が比較的進んでいることが分かります。
■設計職の導入率43.2%に対し、施工管理職は27.5%と低い状況
主要職種別に見ると、設計職では「すでに導入されている」が43.2%であるのに対して、施工管理職では27.5%、設備管理・施設管理職では31.8%と導入率が低くなっています。また、「今後導入される予定はない」についても施工管理職では56.9%、設備管理・施設管理職では50.0%に達しており、現場での業務が多い施工管理職や設備管理・施設管理職においてはテレワークの導入があまり進んでいないことが分かります。
■ヒューマンタッチ総研所長・髙本和幸(ヒューマンタッチ代表取締役)のコメント
建設技術者の職場におけるテレワークの導入について、大規模企業では進んでいるが小規模企業ではあまり進でいないこと、また、設計職では進んでいるが施工管理職や設備管理・施設管理職ではあまり進んでいないことがアンケート調査の結果として分かりました。新型コロナウイルス対策を契機として、建設技術職においても少なからずテレワークの導入が進んでいくと見られますが、企業規模や職種による差も生じることが予想され、今後どのような広がりを見せるのか注目したいと思います。
<調査の概要>
調査時期:2020年4月3日~4月10日
調査対象:ヒューマンタッチに登録している建設技術者
調査手法:インターネットによるアンケート調査
アンケート回収数:242人