ヒューマンビジネスイノベーション

仕事 2017/03/01 【学び働く人】

日本を学び、日本で働く
最先端技術力を武器に海外からやってきたエンジニア

ロマーノ ダニエレさん
エストゥピナン ベラスコ ジョンアレクサンダーさん

ロマーノ ダニエレさん

Profile

ロマーノ ダニエレさん(35歳)
イタリア・ローマ出身。専門分野は、医療機器・環境測定機器関連のソフトウェア開発。イタリアの企業に勤務した後、2016年4月に旅行で初来日。2016年10月にヒューマンリソシア株式会社に入社。同年12月より大手電機メーカーでヘルスケア事業に関する画像、ネットワーク構築業務に従事。趣味は漫画を描くこと。
ストゥピナン ベラスコ ジョンアレクサンダーさん

Profile

エストゥピナン ベラスコ ジョンアレクサンダーさん(26歳)
コロンビア出身。電子工学部を卒業後、コロンビアの企業に勤務。2015年4月に来日し、日本語を習得したのち、2016年6月にヒューマンリソシア株式会社に入社。同年8月より車載音響機器メーカーに配属。社内ではITエンジニアとしての業務に加え、日本語と英語の通訳や翻訳も任されている。日本人の奥様とゆっくり過ごせる休みの日が大切な時間。

厚生労働省が2017年1月に発表した2016年10月末時点の外国人労働者数は約108万人。前年比19.4%の増加となり、届出が義務化されて以来、過去最高を更新した。少子高齢化が進み、日本の労働力人口の減少が懸念される中、外国人労働者の需要は確実に高まりつつある。特にIT分野での人手不足は深刻で、こうした溝を埋めるため、ヒューマンリソシアでは、優秀な外国人ITエンジニアを常用雇用し派遣するサービスを行っている。派遣前には、日本語研修のほか、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング) で 日本企業の文化を学ぶプログラムを展開。コミュニケーションの不安を払しょくすると、外国人ITエンジニアだけでなく受け入れ企業側にも評価が高い。実際にヒューマンリソシアから企業に派遣されているITエンジニアのロマーノ ダニエレさんとエストゥピナン ベラスコ ジョンアレクサンダーさんに話を聞いた。

日本での就職を決意。面接はインターネット電話で

ロマーノ ダニエレさん

ロマーノ ダニエレさんが、ヒューマンリソシアと最初に面接を受けたのは、2016年1月。イタリアからインターネット電話を通じてだった。「日本で働きたいと思っていたところ、転職サイトDaijob.com(ダイジョブ・ドットコム)を見つけました。わかりやすいサイトだと思います。そこからヒューマンリソシアの面接に進んだんです」。面接は英語で行われ、イタリアでのITエンジニアとしての経験や大学での専攻内容などを話した。日本語は独学で勉強しており、当時はあまり日本語を話せなかったというダニエレさんだが、英語面接で実績や人柄が評価された。その年の 4月に友人と旅行目的で初来日した際にも担当者を訪ねた。「すごく信頼できる会社だと思いました。やっぱり日本で働いてみたい」。その強い思いで日本語を猛勉強。そして同年10月、ついに就業のため、再来日を果たす。

10歳の時に漫画「ドラゴンボール」と出会い、日本に興味を持った。きっかけは漫画の物語だったが、そこから日本独特の文化や習慣、お祭りから歴史に至るまで関心が広がった。一度は漫画家を目指したこともあったというが断念。しかし、日本で働いてみたいという夢を諦めきれなかった。「日本で一番好きなのは、日本の人々。本当にやさしいと思う。日本に来られてよかった」とダニエレさんは穏やかにほほ笑んだ。

初めての海外生活も「大変なことは全くない」

ロマーノ ダニエレさん

来日後、2か月はIT技術の習得や日本語の勉強に集中した。「空港に到着した時は緊張していましたが、ヒューマンリソシアの方が空港まで迎えに来てくれましたし、一緒に買い物にも行ってくれて、食器や布団など必要なものを買いました。イタリアが懐かしいという気持ちはすぐなくなりました」とダニエレさんは笑って話す。ヒューマンリソシアでは、マンツーマンに近い形で挨拶の仕方、お辞儀の仕方、名刺交換などのビジネスマナーからメールの書き方や報告書などのビジネスで使う日本語、日本のエンジニアが利用するIT情報系ウェブサイトの活用方法まで、派遣先で困らない日本のルールをしっかりと教わった。特にダニエレさんは仕事で使う医学用語や化学用語も覚えた。2016年12月に大手電機メーカーに派遣された時も、初日は食欲がなくなるくらい緊張していたというが、「仕事を始めたら問題なくとけこめた」という。

現在は4人のチームで働いている。日本人のほか、タイ人もメンバーのひとりだ。「全世界から日本にきて働いている人も多いので、いろんな国の人と話せます。日本人とは日本語で、外国の人とは英語で」。就業後は社内のジムで一時間ほど汗を流し、帰宅後は食事を作り、日本のテレビをみたり、日本語の学習をしたりして過ごす。休みの日は日本人の友人と出かけるようにしている。「日本で働いてみて大変なことは全くありません」。将来は家族の待つイタリアに戻ることを考えているが、「数年間は日本でしっかり働きたい。今はこの日本での体験を満喫しています」。

技術力の高い日本に憧れ。部署で唯一の外国人

ストゥピナン ベラスコ ジョンアレクサンダーさん

一方、「日本にずっと住むつもり。日本は最高です」と話すのは、コロンビア出身のエストゥピナン ベラスコ ジョンアレクサンダーさん。コロンビアから外国に働きに行くというと、行先は米国や欧州が多いというが、ジョンさんが選んだ先は日本だった。「大学で電子工学を専門に勉強したので、日本はロボットなど技術力が高い印象がありました。また、約束は守るといったような日本の文化が、自分の性格にあっているとも思いました」。日本語学校に1年通い、言語を身につけた。

現在勤務している車載音響機器メーカーでは、部署26人全員が日本人という環境だ。外国人はジョンさんひとり。コミュニケーションはもちろん日本語になる。「日本語は日々勉強しています。適切な言葉を見つけられない時はジェスチャーや絵を描いたりしたこともあります。会社のビジネスマナーなどルールが分からないこともありますが、その時は同僚に相談していますね」。基本的なビジネスマナーは配属前にヒューマンリソシアで教わったことが役に立っているという。「挨拶やビジネスのルールは難しかった」とジョンさん。配属前の2か月間、言葉だけでなく、日本独特の文化やルールを学んだ。ミス防止には、「仕事を頼まれたら、質問をすることが大事。理解してから仕事に取り掛かるようにしています」とコミュニケーションを欠かさない。

文化の「真ん中」で日本と世界を繋ぐ

ストゥピナン ベラスコ ジョンアレクサンダーさん

日本と母国コロンビアの違いを尋ねると、「コロンビアは結果を重視するが、日本はプロセスを重視します」との答えが返ってきた。コロンビアでは手順は守らなくても早く完成させることを良しとするため、完成後にコードを修正することもある。一方、日本は手順が決まっているので完成度は高いが、重要でない部分にも時間をかけすぎることがあると指摘する。ジョンさんはどちらのタイプかと聞くと、答えは「私はその真ん中です。プロセスを大切にしますが、時にはスピードも重視して、結果を出しています」という。

そんなジョンさんも最初は日本人のやり方に戸惑った。「コロンビア人ははっきりものを言うけれど、日本人はできる限り婉曲に話します。最初はそれが嫌でした」。ところが研修を重ねるうちにだんだん日本人のやり方が理解できるようになった。「いやな気持ちにならないんですよね。日本人は本当に平和だと思います」。外国とのプロジェクトで通訳を頼まれたときも、文化の違いを説明して交渉を成功に導いた。ひとつのことを異なる視点から考えられるのが強みだと感じている。

ヒューマンリソシアの外国人ITエンジニア 常用雇用派遣サービス

IT業界および先端IT分野における人材不足の現状

政府は、「日本再興戦略2017」での成長戦略として、第4次産業革命を推進し、先端IT技術を駆使した新たな市場の創出を、官民全体で進めるとしています。
一方、経済産業省の推計によると、IT関連産業での労働人口は、2019年を境に減少し、2030年には、約59万人程度まで人材の不足規模が拡大すると予測されています。特に、AIやIoT、ビックデータ等先端IT分野においては、より人材不足が深刻となり、2020年には4.8万人まで拡大するとの試算結果が出ています。

■2030年におけるIT人材の不足規模の予測
IT業界および先端IT分野における人材不足の現状
■2020年における先端 IT人材の不足数推計
■2020年における先端 IT人材の不足数推計

ヒューマンリソシアの外国人ITエンジニア向けサポート

国内のIT人材不足に対応するため、2016年7月より、「外国人ITエンジニア 常用雇用派遣サービス」を開始しました。特に人材不足が顕著なAI、IoT、ビッグデータなどの先端分野で実務経験がある外国人エンジニアを雇用し、国内の企業に派遣しています。
入社後の日本語や日本企業の慣習などOJTを含めた研修や、派遣後も定期フォローを行い、長期的な就業を支援し、日本で働きたいエンジニアと、技術力を必要とする国内企業の橋渡しをしています。

■研修内容

ビザや来日のための航空券、住居の手配や、来日後の生活に関するサポートはもちろん、「日本語力育成プログラム」による日本語の研修、専任担当によるビジネスマナーなどの研修を実施しています。
また、自社内のフロアーにて研修を実施することで、日本の企業文化に慣れ、安心して派遣先で就労できるようサポートしています。

[オリエンテーション・就労前研修]

入社後、日本語力や経験に応じて、個別に必要な研修をマンツーマンもしくは少人数で実施しています。

ビジネスマナー研修 挨拶、話し方、ドレスコード、お辞儀の仕方、名刺交換の仕方、コートの扱い(脱ぐタイミング、持ち方等)、エレベーターの乗り方、仕事の進め方、電話対応、企業のカラー・社内ルールについて、など
ビジネスで必要な日本語 e-mailを使用した会議招集、報告書作成、社外文書作成
日本語環境でのExcel、Wordの操作説明 日本語で表示されているメニューの把握
IT情報系WEBサイトの紹介、説明 日本のエンジニアが活用するサイトなど
経験に見合う展示会・イベントへの参加 ロボット、AI等、新しいテクノロジー分野の展示会やイベント参加により、日本のテクノロジーについての学習
オリエンテーション・就労前研修 オリエンテーション・就労前研修

[日本語力育成プログラム]

日本の企業で働く上で必要となる日本語力の育成を行う5週間のプログラムです。IT技術者に特化したビジネスシーンを想定した独自のカリキュラムで、「聞く」「話す」を中心とした技術者間でのコミュニケーション力向上を目指し、派遣先での就労開始に備えます。

領域 科目 ねらい
一般日本語 日本語総合 日本語基礎力養成
漢字 基本漢字習得
単語の聞き取り 単語レベルの聞き取り
内容理解 スキミング・スキャニング力養成
中文読解 文章の読み取り練習
速読 文章を速く正確に読み取る練習
短作文 文章を速く正確に書く練習
ビジネス日本語 ビジネス会話 ビジネス場面の基本的なコミュニケーション力の養成
ビジネスマナー ビジネスマナーの基本習得
ビジネス文書読解・作成 ビジネス文の読解と作成の練習
ビジネス聴解 ビジネス場面の基本的な聞き取り練習
IT用語 IT関連の語彙の習得
異文化理解 日本社会理解 日本の生活に必要な情報を知る
日本文化理解 日本文化を理解する
異文化対応 異文化接触の対応力の養成

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